『ある日突然、スパイクから電話がかかって来て、”今から来られる？”と聞かれたの。次の日には、飛行機に飛び乗って、そこから４日間徹夜で制作にかかったわ。』今回の映画に参加した時のことを、メリルはこう振り返る。

『スパイクを始めとした、制作チームのみんなと一緒に仕事できたことは、本当に素晴らしい体験だったし、これがずーっと続いたらと願うぐらい楽しかった。私の手がフランチェスカの手になったような気持ちで、彼女だったらどうするかって考えたりしながら制作したわ。中でも私が一番好きな動物はネズミで、飼っていたこともあったの。だから、今回の作品には、 本当に気合いが入ったのよ。映画に参加したことは、その後の制作活動にも影響を与えたわ。私の作品のほとんどは、動物がモチーフなのだけれども、映画に関わってみて、その動物をもっと人物のように描くようになったの。』

会場の奥の部屋では、「I’m here」の全編に加えて、ここでしか見られない未公開のメイキング映像７本も見ることができるし（日本語字幕付き）、ウェブサイトからも全編を見られる（日本語字幕なし）というのが嬉しい。スパイク・ジョーンズ の映画と言えば、いつも音楽が素晴らしいが、それは今回も健在。アスカ・マツミヤによるメロウな主題歌が、切なくも温かい純愛ストーリーにマッチしている。 オープニングパーティでは、アスカ・マツミヤのライブも行なわれた。

そして会場では、DVD＋CD＋BOOKとしてパッケージ化された「THERE ARE MANY OF US」の日本語版が書店に先駆けて発売されているほか、オリジナルグッズも販売されている。ソニー・ジェラシモウィックやメリル・スミスの作品が展示されるのは日本初の試みなので、既に映画を見た人も、ぜひ展覧会に足を運んで欲しい。

スパイク・ジョーンズ「THERE ARE MANY OF US – I’M HERE」
会期：2011年2月19日（土）〜5月15日（日）
開館時間：11:30〜21:00（不定休）
会場： DIESEL ART GALLERY（DIESEL SHIBUYA B1F）
住所：東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti B1F
TEL： 03-6427-5955
キュレーター：亜洲中西屋
協賛：アブソルート、グッドスマイルカンパニー、アートフリーク
協力： コントラリード、AHAHA
https://www.diesel.co.jp/art