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DOTMOV FESTIVAL 2010

HAPPENING

DOTMOV FESTIVAL 2010」は、未知なる才能を持ったクリエイター発掘と作品紹介の機会の創出を目的に開催されるデジタル・フィルム・フェスティバル。世界中から作品募集を受け付け、寄せられた作品は、ゲストクリエイターにより優秀作品を選出、ウェブサイトでの公開に加え、2010年11月より国内外の会場で上映します。今年集まった作品総数は、世界26カ国から237作品。

DOTMOV 2010

上映会場・期間

11月01日〜12月25日 札幌 CAI02
11月01日〜12月03日 福岡 文化芸術情報館アートリエ
11月03日〜11月07日 ポルトアレグレ(ブラジル) Arte.mov 2010
11月03日〜11月13日 香川 トキワアートギャラリーシネマスクエア2010@TAG
11月05日〜12月02日 東京 TOKYO CULTUART by BEAMS
11月05日〜11月18日 神戸 神戸芸術工科大学図書館
11月17日〜11月21日 ベロオリゾンテ(ブラジル) Arte.mov 2010
11月19日〜12月19日 ストックホルム FÄRGFABRIKEN
11月22日〜11月28日 京都 カフェアンデパンダン
11月23日〜12月05日 京都 映像★スタジオ1928
11月25日〜12月12日 大阪 digmeout ART&DINER
12月01日〜01月31日 ロサンジェルス NORBERTELLEN GALLERY ※1
12月10日〜12月23日 仙台 TRUNKoccur2010
12月06日〜12月12日 名古屋 ゴールデンチャイルドカフェ
12月10日〜01月28日 上海 NODE LOUNGE ※2
12月17日______ 香港 Videotage ※3
12月17日〜12月18日 ブエノスアイレス G104
12月24日〜12月28日 サンパウロ(ブラジル) Arte.mov 2010
01月14日〜02月12日 静岡 静岡市クリエーター支援センター(CCC)
01月28日〜01月29日 ベルリン SysteM ※4
02月01日〜02月28日 ニューヨーク Ward Nasse Gallery
02月12日〜02月13日 リオデジャネイロ TechArtLab
03月17日______ シンガポール Night and Day
03月23日______ シンガポール Post-Museum
06月14日〜07月1日 バイーア(ブラジル) バイーア近代美術館
09月17日〜09月25日 クアラルンプール KLDW2011

※1 12月の上映は12日まで。12月9日と1月13日は、Downtown Los Angeles Art Walkの一環として上映。
※2 12/10はイベント「One Night Design Salon」で上映。12/13以降は平日のみ上映。詳細はウェブサイトまで。
※3 20〜21時に上映予定。来場希望者はこちらまで要事前予約。
※4 DAS Weekendの一環として、28日19〜22時、29日17〜24時に上映。

上映作品 (ウェブ上での公開は終了しています)



  • 1925 aka Hell
    1’36” | 2010 | UK
    Dir: Max Hattler
  • この作品には今年の中頃に一度出会っている。それは静岡で配られていた映像フェスティバルのチラシの中だった。沢山の作品の中に混じり画像が印刷されているだけの小さな紹介記事であったが、その静止した絵柄からはとても新鮮なものを感じとれた。キャプチャには映像作品特有のそれっぽいごまかしがなく、とても一瞬を切り取っただけの絵とは思えない程の複雑なオブジェクトが存在していた。また、それら全てが絶妙なバランスで成り立っている部分にも関心した。しかしそれだけに、この絵は動いたとたんに破綻するタイプの映像なのでは?といったキャプチャからの疑いをも感じさせるものがあった。DOTMOVではその動く姿にはじめて遭遇する。それは予想もつかなかった極めてシンプルな展開で、実に巧妙であった。作り込まれたオブジェクトが見事に作用し、いつの間にか見る側をトランス状態に導く不思議な映像である。「1925 aka Hell」、「1923 aka Heaven」と2作品ともにすばらしかったが、景色が明るく造形むき出しのこちらを選出した。
    選出・文:Hideki Inaba


  • 1923 aka Heaven (loop)
    1’55” | 2010 | UK
    Dir: Max Hattler
  • SF古典映画「メトロポリス」のダークな雰囲気を彷彿とさせる催眠的作品をつくる上で、アブストラクトなイメージや音楽の洗練された作者の使い方に魅力を感じセレクトしました。
    選出・文:MotionTheory


  • 夏を待っていました
    5’54” | 2010 | Japan
    Dir: YKBX
    Music: Amazarashi
  • イカと子供、はたまた、植物の怪力サムソンとタコの美女デリラか?モンスターのまやかしか?それとも…僕は自分を見失ってしまったか?
    5、6回見てもよくわからない。この作品を選んだ理由は物語があり、想像する余地を沢山与えてくれるから。
    僕はくすんだ感じの3Dなものに目がないので、このミュージッククリップからいくつもの素晴らしい場面を簡単に見つけることができる。そのほとんどが一見すると抽象的な表現から別なものへとエンドレスに滑らかに続き、さらには野心的なまでの詳細なストーリーがたったの6分で語られている。
    選出・文:David Linderman


  • Inner Klange
    10’00” | 2010 | Italy
    Dir: Lemeh42
    Music: Marco Scattolini
  • 私たちの書く文字にはそれぞれ筆跡があるように、私たちの描く線にも当然“線跡”、いわゆる手癖があります。これが(文字通りの)癖もので、結局は描く個人に還元される独自のタッチでありながら、そこには個人を超えた文化国籍の違いが影響することも否めません。東京の八百屋の店先とミラノのカフェテリアのメニューの値札とでは、その手書きの数字はもはや別の文字かと思うほど互いに異なります。同じ「1」の書き方ひとつでも、かたや均質な太さのストロークであり、かたや数字の「2」ではないかとも思われる鈎型の首をもった鶴のような「1」であったりという具合。万国共通とされる数字でも多様な癖と描き方があり、またそれによってエキゾチシズムを感じるように、漫画、アニメーション、イラストレーション表現にも、単なる一本の線、ストロークとカーブのバリエーションにも、個人の作家を超えた文化の違いを感じる事はしばしばあります。
    Lemeh 42の「Inner Klange」はイタリアからの作品です。おそらく出展国の欄を隠してこの作品を見たとしても、広い意味でのヨーロッパ作品である事は多くの人に感じ取れると思います。この独自のタッチはアジアではないしアフリカでもない、またアメリカでもおそらくありません。
    そんな大雑把な括りでこの繊細で想像力に富んだ作品を語るのはあまりに乱暴ですが、乱暴さついでに言ってしまえば、この絵のタッチは好みの分かれるところです。ちなみに私はこの絵のタッチに関してのみ言えば、ストライクゾーンを大きく外しています。好みではありません。しかし作品の善し悪しの判断を個人の“好み”によってのみ行うことは思考の停滞であり硬直であり、ある種の認知症初期状態であります。大規模な美術展を訪れる年配女性がしばしば口にする物言いに「あら素敵! あたしこういう作品が好きなの。自分が好きか嫌いか。もうそれだけなの」といった類の発言があります。その言葉自体に罪はありませんが、しかしそこにはすでに織り込み済みの作家の成功ストーリーがあり、各種の受賞歴による権威の裏付けがあり、教養と審美眼の獲得に憧れる鑑賞者の虚栄心があります。それらが根底にあったうえでの“好み”の表明であるケースは決して少なくありません。
    そこで「Inner Klange」です。これはアートラバーズには大変不利な作品です。よく言えば個性的、言葉を換えればかなり狭いストライクゾーンに投げ込まれた(私だけかもしれませんが)好みの分かれる絵のタッチ。文化(出展国)の違いから来る作家に関する情報量の少なさ。さらに評価が定まる前段階としての作家にまつわるストーリー構築の難しさ。つまり評価を保証する社会的権威は全くない(当然かつ全く無意味ですけれど)。しかしこれはあらゆるジャンルのアマチュア作品全般に当て嵌まる事柄です。とはいえ作品の強度の構築はここからこそスタートするべきです。
    この作品が持つ構造とその強度、一秒先の読めない展開の自由度はこの度のDOTMOVエントリー作品の中で頭ひとつ抜けていたと思います。脈絡のないイメージの連鎖はある種のパラノイアでもありますが、この作品は病的である以前に、それをギリギリのところで踏み留まるある緻密な構造計算が目を引きました。その印象を導いたのは、マルコ・スカットリーニの音楽であることは間違いありません。この10分間の作品をミュージックビデオとして捉えればそれも納得のゆくものです。
    かつて一部の層に対して多大な影響を与えた『構造と力』という本がありました。もしくは「DCPRG」(DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN)といっても良いでしょう。なぜか今回それを唐突に思い出しました。これもまた脈絡のないイメージの連鎖であります。
    選出・文:Jiro Ohashi


  • Varfix
    8’23” | 2010 | Japan
    Dir: Kotaro Tanaka
    Music: Kensuke Fujii
  • 全てが最高! TVアニメのポケモンからキャラクターとプロップを省いて4倍速で逆再生したような作品。とにかく見事だ。
    選出・文:Yoshi Sodeoka (c505)


  • Brunch
    3’28” | Japan | 2011
    Dir: Yasushi Hori
  • モーションイラストとウィットに富んだダンスをフィーチャーした、ある女性の秘密の内なる自分を火山に例えた五感に訴えるミュージッククリップの作品。次々と登場するビジュアル要素に惑わされることなく、赤と白のコントラストを基調カラーに一貫性を保っている。音楽や動きとうまく釣り合いのとれたリズム感が素晴らしく、ラフで気取らないイラストと本物のイメージとの調和のとれたアレンジも見事だ。また、ディレクションセンスも光り、手描き文字やドットのイラストが次のイメージや音楽、歌詞へと切り替わっていく様子など、映像に登場する様々なグラフィック要素とスムーズにマッチしている。全体がノーカットでラフな印象があり、より詳細なクオリティがもう少しあってもよかったが、愛と火山を表現した最高に魅力的な映像である。
    選出・文:Ki Young Park (Sugarcube)


  • BLESS
    3’34” | 2010 | USA
    Dir: Overture
    Music: KiraKira
  • クリエイティブな制作の手段が、クリエティビティではなくテクノロジーによるものであるということをテクノロジーの一般化が意味するとき、感情を揺さぶり、鑑賞者を魅了し、ストーリーを語るような動きのあるアートを見るのはワクワクする。この作品を見て、何かそういうような、ただそれだけとしてあるのではなく、何かコンセプトを広げコミュニケートしていけるようなものを思いました。
    選出・文:Ian Anderson (TDR)

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葛西由香
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