OFFF 2010

HAPPENINGText: Eduard Prats Molner

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ソーソーリミテッドが、過去の作品「プライム・ニューメリック」や「ザ・ロング・カンバセーション」と似た方法を使って、OFFF 2010のために制作した作品「アイム・ソーリー」には特に驚かされた。彼らはテレビの音声と映像信号を分離し、音声内の話し言葉を解析し、解析したデータをリアルアイムで視覚化したものを映像信号の上にかぶせ、再び音声と映像信号を組み合わせて最終的なAV出力に送り込むのだ。この基本原理はソーソーリミテッドの各プロジェクトの中に形を変えて存在している。

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さらにクレイグ・ワードの非常に心動かされる話を聞き、ノン・フォーマットの革命的なスピーチとプロジェクターの素晴らしい作品を見ることができた。さらにホス・ギフォードによるレクチャーを楽しみ、マット・パイクの話にはいつも通り大いに刺激を受けた。

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しかし、パリのOFFF10周年アニバーサリーを祝福する魔法のほとんどは、ある一人のスピーカーによってもたらされた。驚いたことに、彼のカンファレンスは朝一番に行われ、私はその大部分を見逃してしまったことを悔いている。メディア・アーティストであると同時に、ベルリンのART+COM創立者の一人でもあるヨアヒム・ザウターは空間のルネサンスに関する魅力的で意欲に溢れるビジョンを語ってくれた。ヨアヒム作品の大部分が、展覧会やパブリックスペースにおけるインスタレーションに焦点を絞っているが、その空間では(作品に使われている)テクノロジーの存在が完全に隠されており、その結果、見事で美しいバラエティー豊かな作品を形づくっているのだ。講演の内容を知りたければ、Vimeoにアップされているヨアヒムの講演を見てもらいたい。

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ヨアヒム・ザウターは、ベルリンにあるベルリン芸術大学のデジタルメディアアートプログラムで正規教師および講師を務める。ヨアヒムは自身が受け持つ生徒の一人、ユリウス・フォン・ビスマルクの話でカンファレンスを締めくくった。ユリウスの「Image Fulgurator」はフラッシュの反応機構をもとにつくられた、写真に物理的処置をほどこす装置である。言いかえれば、この装置は肉眼では見えないが、フラッシュを使って撮影された写真にだけ写る映像の投影を可能にする。ユリウスは公共の場で自由に行動できるよう、装置を古い報道用カメラで隠し、他の対象物と共に、ベルリン市知事のクラウス・ヴォーヴェライトや北京の天安門広場にある毛沢東の肖像画、そしてドイツで演説したバラク・オバマに対して使用した。詳しくはクリエーター・プロジェクトのビデオインタビューを見てほしい。

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