ヤン・ヨンリャン

PEOPLEText: Emma Chi

「セメント」がテーマの展示でしたが、大量のレンガが崩れ、壊されたような山にドライアイスの霧が、雲のようにかかっていました。あの作品は、風景画を違った視点から捉えたものだったのでしょうか?

そうですね、あの作品はすぐに山の景色が目に浮かぶと思います。
ビルの崩壊や建て替えで、レンガの山が大量に丘に積まれるんです。撮影の時に吸う、タバコの煙が遠くで雲のように見えたりして、絵で表現する奇妙な感じがしますが、同時にそれが融合して面白い物になると思ったんです。

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他には、龍が飛び出てくるようなインスタレーションもあります。縦2メートル、横6メートルに及ぶ、セメントで作った巨大なものでした。どうして龍なのか。龍は巨大ですし、リアリスティックな形をしていて、オーディエンスの視覚を通して感情を呼び覚ましえるようなものだと思ったからでしょうか。

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龍を選んだ理由は、龍という生き物は中国だけで語られているイメージだからです。大昔には、龍は神秘的な生き物ですが、僕の作品では実際に生きている、現実に存在する動物として表現したかったんです。セメントは今の中国の住宅建設を反映させているのですが、この社会的な現象についてはコメントはするつもりはありません。良いか悪いかはそれぞれの判断ですからね。

これからの計画や挑戦してみたい事などあれば教えてください。

特にまだ決めていません。様々な事に挑戦したり、先行き不透明な感じが好きなのです。ビジネスに興味はないですし、広告関係の仕事を辞めたのも、その仕事から、自分の5年先や、ましてや10年先まで見えてしまうのが嫌だから。将来が見えてしまうと、突然人生に意味がないように思えてしまうんです。そんなわけで、最終的にアートの道を選んだのでしょう。将来の事は未定ですが、その予測不可能な未来が良いですし、何も恐れることはありません。僕が死の床につき、目を閉じる前に様々な事柄が鮮やかに思い出されるでしょう。全ての出来事は、価値のあるものだと心から信じています。短く言うと、自分に真摯に生きていけば、必ずそれは返ってくる!という姿勢でいたいです。

Yang Yongliang artificial solo exhibition in Wonderland
会期:2010年4月30日〜6月8日
会場:Gallery 18
住所:4th Floor, 18 Shandong Road, Shanghai
電話:+86 21 6323 8099
https://www.yangyongliang.com

Text: Emma Chi
Translation: Junko Isogawa

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