ベロニカ・ブレッジマン

PEOPLEText: Gisella Lifchitz

本当にどのドローイングにも感情が込められていますね。テキストとイメージ、登場人物の内と外を表すポーズのコンビネーションがとてもユニークだと思います。ドローイングを見る人々と作品の世界感の中に強く根付いている登場人物の間には精神的、身体的の両方の一体感があると思います。そしてその一体感は意図的なものではないように思うのですが。

ドローイングを終えるときは、その作品を眺め、そしてこれはもう自分の物ではないと感じます。ドローイング自体を気に入ってくれる人もいますが、登場人物のポーズはなにかもっと深い部分のことを表現しているのです。これには何か良い意味で作品が疎隔していくような、ちょっと変な気持ちがしますね。どうしてそう思われるのかが自分自身で分かっているので、そう言って頂けるのはてても嬉しいです。エドワード・ホッパーが全ての作品の中でどうやって時を止めたのか、についても同じようなものが感じられると思います。私の作品も同じようなものを持っているんじゃないかと思っています。

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あなたの作っているパーソナライズドブックについて聞かせてください。

イラストレーションをする前に作ったものです。友達へのプレゼントとして作りました。彼らが好きな欲しいものをあげたかったのです。色んな素材を使って遊ぶのが好きです。

他の人の作品のカスタムアートワークにも取り組んでいますね?

ええ、もちろんです。でも実際に取り組むのはなかなか複雑です。自分がすることについて正面から向き合う必要があるので、まず他の人のアイディアに対してきちんと感謝した後、制作を始めます。するとすぐにカスタムのアイディアが浮かんで、そのアイディアが自分のものになるのです。

あなたのキャリアの中で最高だった瞬間を教えてください。

今日は私にとて素晴らしい瞬間です。自分のすることをとても満足しています。数週間前にオズ・ギャラリーで終了した展覧会はとても成功しました。観客の反応はとても嬉しいもので、本当に満足しています。そして、同時に自分の人生に沢山の変化がありました。アーティストは制作に正面から向き合うべきだと思います。私はいつもそれを作品に作り上げるわけです!自分のドローイングが自分自身の構造の一番深い部分を癒してくれるのです。

バルセロナで作品を発表しましたよね?

そうです、伝統的な場所やオルタナティブな場所など様々な場所で発表しています。私の作品はオルタナティブなギャラリーが一番しっくりくると思います。他のアーティストと共同でグループ展もしました。

自身のプロジェクトについて教えて下さい。

一番大きなプロジェクトは私のイラストレーションブックです。自分のイラストレーションがもっと強力で、もっと人気のあるものになってほしいと思っています。おそらくパフォーマンスか何かでできたらいいですね、まだはっきりはわかりませんが。新しいものにはどんどん挑戦したいです!

最後ベロニカは大きな笑顔と郷愁漂う目でさよならを言ってくれた。そして私はいつのまにかまた道をぶらつき始める。目のない顔で私を見つめてくる不思議な人々のイメージを思い浮かべながら。声の無い人々がささやいている。知らないはずなのにどこか親しみやすくて見続けてしまう、色んなものを感じさせてくれる素敵なペンと紙のパラレルワールド。

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Ayano Yamada
Photos: Lucila Bodelón

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