TARO HORIUCHI
PEOPLEText: Monika Mogi, Brian Weiland
今回のコレクションで用いた特別なテクニックを教えて下さい。
内側にラインをプリントしたり、幾何学模様の刺繍を敢えて手作業で行いました。とても技術性の高い素材の融合をしていますが、それを説明するのは難しいでしょう。ほとんど全てオリジナルの素材を使っています。
Taro Horiuchi A/W 2010 collection – “Void” © Taro Horiuchi
グラス・オーガンザの素材を用いた作品が秀逸でした。このテクニックを用いた経緯を教えていただけますか?
シャネルがこれを用いたことがありますが、あまり多く使われてはいない素材です。これは日本の技術力が生み出した素材で、非常に素晴らしいものです。今回のコレクションでは重い素材のものもいくつか創りましたが、私はとても軽くて動きやすいものも創りたいと考えていました。そしてグラス・オーガンザの生地がとてもよく馴染んだのです。
一番好きな作品は何ですか?また、一番人気が出ると思うものはどれですか?
私が一番好きなのはスポーツパーカーです。私の作品は素材と、ラインを作り出す縫い合わせの技術がとても高価なので、どれが一番売れるかは分かりません。
Taro Horiuchi A/W 2010 collection – “Void” © Taro Horiuchi
東京では今、H&M、Forever 21、ユニクロなどが人気ですね。ファストファッションがこの業界にどのように影響するとお考えですか?
ファストファッションに限らず、真の「創造」は全て残っていくものだと思います。そして、そうでないものが淘汰されていくのではないでしょうか。
日本のファッション業界で、好きな面と嫌いな面を教えて下さい。
この業界ではいまだに、年長者が決定権を持っています。時代は変わってきているのです。かつてこの業界が取りいれたアメリカ的なスタイルは崩壊してきています。だから私たちが独自のスタイルを新たに創りだし、日本のファッション業界を確たるものにしていけるのではないでしょうか。
Taro Horiuchi A/W 2010 collection – “Void” © Taro Horiuchi
アメリカ的なスタイルのどういった点が日本に不向きだと思いますか?
日本は、必ずしも大量生産に向いている国ではないと思います。
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