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丸若屋

PEOPLEText: mina

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© Maruwaka. Photo: Hiroshi Homma

望ましい支援のあり方とはどういうものだと思いますか?

支援にあたっての基準と手順が大切だと思います。基準に関しては、審査する方たちが審査するに値する人たちかどうか。もうひとつは、手順に関してですが、いつの時期であろうとどのタイミングであろうと、聞く耳を持つべきだと思うんです。「それは終わっちゃったから来年まで待って」とか「資料はこれがなければダメだよ」とか、「組合で何人以上いないとダメだよ」とか。システムって大切なものだと思うんですけど、ものづくりって別に一人だからいいものができないってものでもないし、100人集まったからっていいものができるわけでもない。ましてや美しいものをつくるときに統計ではできないこともある。統計ではかろうっていうのはちょっとまずいな、って思います。

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「otsuriki」iPhoneケース Photo: Koichiro Kutsuna

2010年GDPも中国に抜かれる、一方ではものづくりの工程がファスト化され極度に加速化するなど、日本のものづくりの環境もグローバル社会の中で大きな変容を迫られていると思います。その中で、日本のものづくりの進むべき方向性についてはどう思いますか。丸若屋の今後の活動についても教えてください。

僕らや職人さんがつくっているものは文化であり、民族性が集約されてるものなんです。実はコンセプトを形にしているんですよね。ものをつくってるようで、ものづくりじゃないんですよ。ハードなものじゃなくて、ソフトなものをつくってる。例えばこのコップがイケアで100円で売っています。でも、薩摩切り子では100万円するとします。なぜか。それは付加価値がつくから。まず、付加価値っていうのはソフトウェアであることを僕は自覚したい。ハードに比べたらモデルチェンジは遅くていいんです、概念なんで。それがひとつ僕の考え方であるのと、だからこそ10年、20年耐えられるものをつくらないとならない。概念なので。その間にちっちゃいマイナーチェンジだったりがあってもいいと思うんですよ。だけど、携帯電話のモデルチェンジと同じスピード感で市場に入っていっても無理なわけです。伝統工芸はハードな部分に囚われすぎるのではなく、精神的な部分を大切に広めていくのであれば、形はちょこちょこ変わったとしても本質は変わらないと思うんですよ。だから今のような物質社会が崩壊したときにこそ、精神性や概念といったソフトな部分が重要視されると思うんです。
今後の活動としては印傳(いんでん)は形を変え、生活に馴染むもので色々やっていきたいというのと、素材としての伝統工芸をもう一度見つめ直すのもいいんじゃないかと思っていて、そのプロジェクトをやっていきたいです。

丸若屋(まるわかや)
住所:東京都世田谷区中町1-20-6 #201
TEL:03-6318-7431
info@maru-waka.com
https://www.maru-waka.com

Text: mina

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