HIGH5 3

HAPPENINGText: Kayo Tamura

4組目には、イタラクティブチーム「ラボ・ロックウェルグループ」が登場。ラボ・ロックウェルグループは、プロダクト、インタラクティブ、建築、グラフィックなどのデザイナー集団。

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Speaker 04 LAB Rockwellgroup

制作するときは、どういったインタラクティブなスペースを作っていくか、環境にいかに溶け込めるかを心がけているそうだ。『私たちがほんとうにやりたいことはデジタル、インターネットなどの境界線をなくすこと』と話していた。型にとらわれず面白い表現をしている彼らの、今後の活躍を期待したい。

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Speaker 05 長浜徹

次に登場したのが、ロンドンのクリエイティブ・スタジオ「Hi-ReS!」に所属し、写真家として活動もしている長浜徹。第29回ひとつぼ展に入選し、写真をベースに様々な作品を制作している。ポップでユーモアな印象を持つが、以前は加工しない写真を撮っていたそうだ。それが回りの人たちから影響を受け今のスタイルになっていったという。

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その影響を受けたという2人には学生時代に出会った。一人はLe gunで、彼のイラストの写真にはない自由さに、もう一人のアレックス・バトラーにはメンタリティーに影響を受けたそうだ。そして学生時代に制作した作品も見せてくれた。今まで見ていた写真とは異なる表現が、いかにして作られ今が築き上げられたのか、これからの写真表現の可能性を垣間見れたプレゼンテーションだった。

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Speaker 06 伊藤直樹 (W+K tokyo)

最後にプレゼンテーションを行ったのは、最近ワイデン+ケネディトウキョウの代表に就任したクリエイティブディレクターの伊藤直樹。様々な賞を受賞し、カンヌ国際広告祭では審査員も務めた経歴を持つ。広告は、『100%存在を受け入れられないもの』で、『広告は嫌われている』と否定から始まったプレゼンテーションだが、そのことを前提に制作していると語る。広告の存在価値やその意味など、とてもためになるプレゼンテーションを披露。W+K Tokyoの作品でもあるコカコーラやホンダの「the power of dream」のCMを流し、『作り手の良心が含まれたこの2つの広告は、言葉を代弁することを提供している』と語った。そのため見るものに感動をあたえるのだろう。短い時間の中で完結されたプレゼンテーションはとても分かりやすく、勉強になった。W+Kでの伊藤直樹の活躍をこれからも期待したい。

会場では一足早く「カナリア門」が販売されアートレスの川上俊と、コテンヒッツの河田孝志によるアーティスト・ブック「:balloon」も販売されていた。これからもさらなる飛躍が期待される人材のセレクション。ビックネームばかり集まるカンファレンスとはまた違い、刺激を受けたプレゼンテーションであった。次回はどんなプレゼンテーションが聞けるのか、とても楽しみである。

HIGH5 3
会期:2010年1月23日
会場:大さん橋ホール
http://www.high5.jp

Text: Kayo Tamura
Photos: Kayo Tamura, Hikaru Matsumoto

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