横浜国際映像祭 2009
HAPPENINGText: Wakana Kawahito
インタラクティブ・インスタレーション「Little Lights」
最後は、ワークショップやイベントが行なわれているラボスペースだ。この映像祭のテーマである、「実際にワークショップなどに参加することで映像というメディアを考える」という点からみた場合、もしかすると、このラボスペースが一番のメインといえるのかもしれない。
新港ビアが実験的な場である印象を受けた一方、メイン会場のひとつ、「BankART Studio NYK」では、洗練された雰囲気で(といっても、場所柄アンダーグラウンドな雰囲気は十分にあるのだが)国内外の映画監督やメディアアーティストによる展示が行われている。
「ヴィデオ・カルテット, 2002」クリスチャン・マークレー Photo: Kioku Keizo
まず1階では、映像の音を楽器とした実験的なサウンドパフォーマンスで高い評価を受けているクリスチャン・マークレー。映画を引用することで構成された、優雅でうっとりするようなカルテットに、4つの映像が追いかけ合うというビジュアルのおもしろさが加わった「ヴィデオ・カルテット, 2002」。その独特の世界観に観客は魅入ってしまう。
「Extension Series (Yokohama)」パブロ・ヴァルブエナ
2階に上がると、右手の壁の角に映し出されるグラフィカルな建物が、大きくなったり小さくなったり段々と形を変える作品を目にする。それは、スペインの作家、パブロ・ヴァルブエナの「Extension Series (Yokohama)」。メディアアートというと、画面のなかだけで展開していくようなものが多いが、彼の作品は空間におけるメディアの使い方、関係性がとてもうまくマッチしているように感じられる。
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