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FIAC 2009

HAPPENINGText: Kana Sunayama

もちろん一般の参加ギャラリーたちも主役の座を取られっぱなしではない。

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あるリチャード・プリンスの作品は75万ドルで売却されたが、それも一年前であれば2倍の価格をつけることができたのにとギャラリストは嘆き、美しいレイチェル・ホワイトリードの個展を展開した ルーリング・オーガスティン・ギャラリーは結局一点しか売却できなかったということであるが、全体的な結果としては、各参加ギャラリーが満足する結果が得られたようである。ギャラリストたちも作品の質、価格、共に努力して、今年のFIACに望んだということであろう。

グランパレがシニアギャラリーを中心にブース展開しているのに対して、クール・カレ・ド・ルーブルの方は、若手ギャラリーが例年以上に質の高い展示を行った。

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その中でも特筆すべきは、パリのアラン ギュターク・ギャラリー。現代アートコレクターとしても知られているデザイナーのクリスチャン・ラクロワにキュレーションを依頼し、普段のアートフェアでは見ることのできないような独特の雰囲気を持つ非常に興味深いブースを見せてきた。

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「モダンプロジェクト」ともう一つ、 目玉企画となって今年のFIACに新しい風を吹き込んだのは、フランス屈指の大型高級デパートであるギャラリー・ラファイエットがスポンサーとなって FIAC参加を実現した14のヨーロッパ若手ギャラーだ。 各ギャラリーは4000から6000ユーロの補助を受け、これらの14のギャラリーがブースに展示した作品の中から、キャロル・ボヴェが選ばれた。
アーティストには作品の買い上げと来年のFIACの時期にパレ・ド・トーキョーでの個展が約束された。

例年と比べるとチュイルリー公園での野外展示の作品が少なかったことと、100万ユーロ以上の作品と10万ユーロ以下の作品は売れるがその間の価格の作品の売買が非常に難しいと言われること以外は、各関係者の努力が見られる良いアートフェアであった。

FIAC 2009
会期:2009年10月22日〜25日
会場:グランパレ、クール・カレ・ド・ルーブル、チュイルリー公園
http://www.fiac.com

Text: Kana Sunayama
Photos: Kana Sunayama

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