オーストリアン・ファッション・フォトグラファー

PEOPLEText: Daniel Kalt

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© Andreas Waldschütz, “Villa Maund” editorial shoot

アンドレアス・ウァルシュッツ
ちょうど30歳を回ったばかりのアンドレアス・ウァルシュッツだが、彼は既に相当数の国においての人生や仕事の経験をしている。ウィーンで成長し、オーストリアの首都が非常にちっぽけな所とわかった後、彼は荷物をまとめると、新たな土地を切り開きに向かった。カリフォルニアもそのひとつで、彼が目指したサンフランシスコでは映画制作会社に関わることに。カリフォルニアで2年過ごした後、彼はヨーロッパへ戻り、ベルリンを経てロンドンに移住。彼は大いに旅行して、非常に贅沢なロケーションで(本当にアンドレアスはスタジオ写真のよき友ではないのだ)の美しい制作写真で有名になり始めたが、再び彼が現在暮らしているウィーンを彼の拠点とすることに。例えば、私は西オーストリアの山岳地帯のどこかのヴィラマウンドでの彼のエディショナルショットが大好きで、それはグルジア生まれの新星デザイナージョージ・ベザニスヴィルとのコラボレーションによるもの。

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© Irina Gavrich for Anna Aichinger

イリーナ・ガブリッチ
ファッション写真におけるウィーンの才能溢れる人たちの中でも、イリーナ・ガブリッチは確実に知っておく価値がある名前だろう。ウクライナ生まれのイリーナは、グラーツでOrtweinschuleを卒業した後に、ヴォーグUKやハーパース・バザー・ロシアなどの国際的な雑誌で活躍するなど迅速にその活動の場を広げてきた。 それとは別に、彼女はまた新進気鋭なファッションデザイナーのアンナ・アイヒンガーとも友人であり、彼女のルックブックを頻繁に手掛ける写真家でもある。アイヒンガーのコレクション「アルファガールズ」では説得力ある写真による言語でそのコンセプトをサポートした。概して、イリーナはシーンの本質を理解し、彼女の直観により見抜くことができる、まさにその「決定的瞬間」(アンリ・カルティエ=ブレッソンの表現から引用)にシャッターをリリースするという、彼女の持つ才能を信頼している。

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© Peter Garmusch, “Souvenir” photo series

ピーター・ガームッシュ
彼がサッカーで運を見つけたなら(数年ほど彼は挑戦したそうだ)、ファッションと芸術写真の世界では、その素晴らしい才能を失っていただろう。 オーストリア・シュタイアー生まれの写真家ピーター・ガームッシュは長年様々なウィーンや国際的な雑誌で定期的に活躍。また、現代写真を専門に扱うウィーンを拠点とするモメンタム・ギャラリーに所属。私は幸運にも写真スタッフとしてピーターがいた雑誌出版社で働いていて、世界中のクリエイティブでホットなスポットから彼が送ってくるイメージを受け取るのを待ちきれずに、とても楽しみにしていたことを覚えている。彼は、力強いビジュアルの表現力と素直さをもっているファッション・フォトグラファーであり、扱いにくいトピックさえも手掛ける一人だ。フレアー・モンダドーリ・マガジンのオーストリア版が、昨年初めて地元のファッション・フォトグラファーとコラボレーションすることを決めたとき、ピーターがその仕事を手掛けることに。そして彼は、月のような風景の中のエディショナルショットで印象的なゴールを決めた。ピーターは彼の作品で人にそのイメージについて考えさせることに成功すると同時に、人はその美しさを高く評価した。

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