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HAPPENINGText: Tatsuhiko Akutsu

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PUBLIC/IMAGE.METHOD セッション2「FUGAHUM x 田島一成」

次のセッションは、FUGAHUM×田島一成。FUGAHUMは、エンライトメントのアートディレクター三島章義とファッションデザイナー山本亜須香による気鋭のファッションブランドで、コンセプチュアルなアプローチでファッションというものを捉え、アパレルという垣根を越えたアーティスティックな表現を行う。田島一成は、ファッション誌、広告、CMなどで活躍する世界的な写真家だ。

この2組が見せてくれたのは、まさしくプロフェッショナルの “METHOD” だった。FUGAHUMの秋冬の新作「WIRELESS MIND」のカタログの撮影を行った田島が、どのような哲学を持ち撮影に臨んだのかという思想的な部分と、独自の撮影と編集の方法論を、撮影風景のドキュメンタリーの映像と共に具体的に解説した。そこに存在するのは、深い考え方と強いこだわり。様々なソフトウェアを、あくまで”自分の表現に必要なツール”として使いこなす田島。プロフェッショナルの仕事に触れた瞬間だった。

独自の思想と方法を持つ2組。当然のごとく発生する衝突。しかし、2組の持つ奇跡的なバランス感覚の間で生まれたそのカタログは、すでにカタログという役割を超越し、まさしく “一つの作品” として完成した。そこには、FUGAHUMならではの強いコンセプトが刻み込まれていた。

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PUBLIC/IMAGE.METHOD セッション3「I AM ROBOT AND PROUD x 真鍋大度」

オーディエンスの感性を大きく揺さぶる音楽とインタラクティブアートの融合。心地よく暖かいエレクトロ・ポップサウンドで知られているカナダの「I AM ROBOT AND PROUD」と、YouTubeの顔面音楽ビジュアライザーでお馴染みの真鍋大度のセッションは、そんな美しい音楽とインタラクティブが組み合わされた実験的なライブで幕を開けた。

極端な話、ビヨンセがバンバン腰を振って踊っているライブと、エレクトロミュージシャンが大人しくキーボードに向かって演奏しているライブ。音楽的要素は別にしても、身体的表現と言う意味で面白いのは、やはり前者ではないだろうか。いわゆるエレクトロ系の音楽では、機械や鍵盤の操作などで音を作る以上、どうしても身体的な表現が少なくなってしまう。耳で楽しむことはできても、目で楽しめるかと言えば難しい所は多いのが実情である。

しかし、エレクトロミュージックとインタラクティブアートが融合すればどうだろうか。I AM ROBOT AND PROUDと真鍋大度のセッションでは、I AM ROBOT AND PROUDが奏でる音に、人々が口にくわえたLEDが反応し、様々な色で発光する。つまり、“音の視覚化”である。一つの音に対して普段とは異なったアプローチをすることで、そこに新しい価値を与えているのだ。結果的にわれわれ観客は、「目に見えるもの=視覚に作用するもの」の印象の強さを再認識することになった。

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