オルター/モード

HAPPENINGText: Victor Moreno

オルター/モード
Andrea Ayala Closa and Bogomir Doringer

「A world in Between. Fashion beyond clothes」(間に広がる世界。ファッションは洋服を越える)は、ストックホルム大学インターナショナル・キュレーティング・マネージメント・エジュケーション出身のキュレーター、トーマス・ライナイによって企画された初の展覧会プロジェクト。彼はファッション、アート分野では名の知れたキュレーターだ。というのも、イギリスでニック・ナイトの「ショウスタジオ」設立プロジェクトが立ち上がった時期に、数年間に渡って彼はストックホルムに基点を置くファッションフェア「プラス46・プログレッシブ・スカンジナビアン・ファッション」のチームの責任者として活躍していたからだ。

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Curator Tomas Rainaj

この展覧会では、バルセロナのアーティスト、アンドレア・アヤーラ・クローザの展示を「クリーラップ・ギャラリー」で、また、アムステルダムに基点を置く、ボゴミール・ドリンゲールの展示を「ウェルド」で行った。この2つのギャラリーはストックホルム中心地にあり、両ギャラリー間はだいたい徒歩5分の距離だ。

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Photo: Mathias Sterner

実際に展示会を見にギャラリーに足を運び、まずは「クリーラップ・ギャラリー」へ。1組目の来場者と一緒に到着したが、すぐに会場は人々でいっぱいになった。アヤーラ・クローザの作品はファッション意識のない洋服の解釈に対する一連のイラストレーションだ。

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来場者は、壁に映されたライブ映像で、同時に両方のギャラリーの様子を見ることができる。アヤーラ・クローザはそのすぐ側にいたが、彼女は展示パートナーがいる「ウェルド・ギャラリー」へ向かうことにした。多くの人々がギャラリーを行ったり来たりしていたが、しばらくして私たち一行は「ウェルド」に向かった。そこで初めてボゴミール・ドリンゲールに会うことができた。彼はとても素敵で親しみやすい青年で、はじめに彼がストックホルムで過ごした素晴らしい時間がどのようなもので、また、責任者であるライナイのマネージメントの素晴らしさについて教えてくれた。そしてアンドレア・アヤーラ・クローザがついにやってきた。初対面にも関わらず、はじめの少しの会話で私たちには沢山の共通の友達や仲間がいることがわかった。とてもリラックスした雰囲気で、ドリンゲールはナターシャ・カンプシュ誘拐事件に焦点を置いた彼の作品の追加ツアーを行うことを決めた。作品には彼女が住んでいた全面銀色の秘密の地下室のレプリカも含まれている。誘拐犯のウォルフガング・プリクロピルにより、ナターシャは姿を消した。彼女は8年以上に渡って監禁され、ストックホルム症候群を患った。

5月31日までの間、この展覧会は「ジョナス・クリーラップ・ギャラリー」で見ることができる。「ウェルド・ギャラリー」や「建築博物館」もこの期間中にレクチャーやディスカッションを設ける。オルター/モードは芸術表現のツールとしてファッション作品製作を行っているとして選ばれた2人のアーティストを取り上げている。

トーマス・ライナイと今回招かれたアーティストやファッション作品制作者によるシンポジウムがストックホルムの建築博物館にて30日10:00〜17:00に行われる。

ALTER/MODE
会期:2009年5月21日〜31日
会場:Kleerup Gallery、Weld
http://altermode.blogspot.com

Text: Victor Moreno
Translation: Ayano Yamada
Photos: Victor Moreno

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