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エスク・ガラス・スタジオ

PEOPLEText: delilah.loves.you

昔のスタジオはどこにあったのですか?

スタジオは持っていませんでした。放浪者みたいにね。ニューヨークで働いていたときは、アーバン・グラスと呼ばれている一般がアクセスできるスタジオにいました。ニューヨークのガラス吹きのほとんどが、そのスタジオで作業していましたよ。ニューヨークでスタジオを準備するのはお金がかかるから、そのスタジオを時間で借りていたんですね。でもすごく良かったですよ。そこから生まれるダイナミックな仕事があったので、それに触れることができたしね。私達がそこに出入りしてた間、ロバート・ラウシェンバーグのために実物大のトラックタイヤを作ったし、キキ・スミスのために制作もしたし、こういったアーティストのためにとても素敵なものをそこで作りました。

私達がここ(ポートランドに)に来たときには、スタジオを始めたいと思ってました。実は、ニューヨークでスタジオを始めるつもりで、リサーチしていいスペースを探して、もうじき実現しそうかなっという矢先に、9.11が起こったんです。9.11の後、それはハルマゲドンのようでしたね。ガラス吹きには仕事がひとつもありませんでした。世界の終わりでしたよ。それで、その数か月後に引っ越したんです。もう文字通り費用を負担することができなかったものですから、車に荷物を詰め込み、大家さんから逃げてきたんですよ。もう、それは大変でしたね。

Esque Glass Studio
Hand blown glass vases and paperweights for Ralph Lauren home, 2007

スタジオでは1週間に100ポンド(約45kg)のリサイクルガラスを利用しているそうですが、それは全て古いビールビンなのですか、それとも「破損品」でしょうか?

どちらも利用しますよ。2機の電気炉があるので、1機は新しいガラスを作るクリーンなガラスを溶解する炉にしています。例えば、クリアガラスの制作過程でフロアに落ちてしまったり、室温に冷やしている間に気に入らないものになってしまったり、磨いているときに壊れてしまったら、それをその最初の1機目の炉で溶解します。その過程のものですと、とてもきれいなガラスですからね。2番目の電気炉では、ビールビンを溶解するし、なんでも溶解しますよ。小さな容器なので、その中を交換する作業が簡単なんです。容器をいっぱいにして溶解し、空の時は電源を切ります。なので、そこで何を溶かすかということにおいては、自由な幅を持たせてますね。例えば緑色のビールビンを溶解して、緑色のガラスを制作することができます。電気炉について私達が掲げる最大のメッセージは、二酸化炭素排を少なくということですね。

Esque Glass Studio
Goblet Candlesticks, Cear or Royal, 6”H to 12”H, Rubberized Reclaimed Glass, 2008

大勢の人がグリーンなことに対する活動について述べてるけど、全てのポイントとなるのは、二酸化炭素排出量を減らすということなんですよね。長時間、電気炉の利用を反対する人も中にはいたんですが、それはテクノロジーがそこまで追いついてなかったか、それか、正しく活用されてなかったのでしょう。(今は)高機能電気炉がありますからね。もし規模の大きなスタジオ(アートスタジオでさえも)を運用するとしたら電気炉を利用したいと思わないでしょうね。というのは、ガラスは冷たいし、炉は小さいですから。なので、私達のスタジオの炉を建ててくれた地元の消防隊員なんですが、彼はOFFにする革命を起こしたんじゃないかと思ってます。

このことの大半について思うのは、正しい選択をしようと心掛けているということです。ガスでも電気でも選択はある。そこで私達は電気を選択した。スタジオを立ち上げるとなったら、それはとても簡単なことです。私達の電気炉は、多分ガス炉よりも5倍は費用がかかると思います。でも電気炉は、より効果的なんです。私は投資をしているんだと思うし、より少ない動力を利用することも解ってます。私達はグリーンを実践しているところから注目を多く集めてますが、私が思いつくメッセージはというと、私達は全く世界を救ったりなどしていないということです。私達はガラスを吹き、そのガラスには自然の資源を利用しているということです。一般的に言えば、それはすごくもったいないものなんです。

もし私達のメッセージが人の心に届いて何かの選択の手助けとなった時に、私達のしていることがよい仕事と言えるのかもしれません。

Esque Glass Studio
The glass wall created from fused, hand pulled, glass cane.

そうですね。「できること」の良い例ですね。

その通り。グリーンなことは自分たちを売り込む良い手段なのだろうけど、多くの人々が私達が誰であるか知っているその理由は、ニューヨークでの仕事があったからです。(グリーンなことに目を向けることは)とても簡単でしたね。文字通り決心するということだけですね。大豆インクでカタログを再生紙に印刷するのはなぜかと言うと…。というか、皆そうしてみたらいいのに。

更に「PGE」から風力を購入しています。そのことは雑誌などの媒体で私達が裏庭に風力タービンを持っているという風に何度も誤解されているんです。
風力タービンはスタジオの裏庭にはないですが、風力により作られたエネルギーを購入し、PGEが代替エネルギー資源をリサーチする為の資金をPGEに毎月支払ってます。

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