1978年生まれの黑一烊（ヘイ・イーヤン）。ブックデザインもおもしろいが、蛍光灯を使用した作品が独特でおもしろい。展覧会ポスターのインスタレーションでどっさりと蛍光灯を抱えており、パフォーマンス性も感じられて魅力的だ。本書では展覧会のときの写真も載っているが、夜の暗い中で光る文字は生で体感したくなる。

“X-Exhibition – Graphic Design in China 2007”, Hei Yiyang, Sense Team　© Hei Yiyang. Courtesy of 3030 PRESS

1983年生まれの婴野赋（レン・チエンイー）。とても中国独特の雰囲気を持った作品だ。中国らしく、インパクトも強いキャラクターのイラストレーションは、キャラクター自身もそのデザインもシュールであり、一度見るとしばらく記憶に残るほどだ。この個性の強い作品は、好きな人にはたまらないだろう。

“Girl Roll With The Twin Loop”, Ren Qianyi, Kodyopark　© Ren Qianyi. Courtesy of 3030 PRESS

1983年生まれの张雯（Menz）ことチャン・ウェン。優しく可愛らしいイラストレーション。可愛らしい女の子のお腹から何かが出てきており、なんとなく不思議だが、懐かしいような落ち着いた雰囲気がある。写真を使ったグラフィックデザインでは奇抜な色で女の子らしさを出していて、全体的に可愛らしさがあり、そこが魅力に思えた。

“Gal”, Zhang Wen, Menz © Zhang Wen. Courtesy of 3030 PRESS

ここまでで４名の若手アーティストを紹介したが、なんとなく中国独特の空気感は感じられたかと思う。私が見て中国らしいなと思った作品は、奇抜な物が多いように感じられた。中国の、他の国に影響されることなく独自の発展を遂げている作品に、これからも注目だ。中国の若手アーティストの作品が気になる人にはお薦めしたい本だ。

3030 New Graphic Design In China
仕様：204ページ、23.9 x 18.8 x 1.5 cm
発売：2008年3月
言語：中国語、英語
ISBN-10：9889938413
価格：18.50 EUR
出版社：3030プレス
https://www.3030press.com