KVLTマガジン

THINGSText: Kazumi Oiwa

どうしてウェブマガジンの形をとったのでしょう?ウェブマガジンのどんなところが魅力的だったのですか?

一番はコストがかからないということです。独立しているし。無料で世界と繋がれる(少なくともネットが繋がるところはね)。独立したメディアを持つということは、とりわけシンガポールでは重要です。新しい観点を手に入れることが渇望されているし、総合して政治的・商業的モチーフと結びつかない。私たちはこのウェブマガジンを本当の雑誌のように作り上げたいのです。本当にページをめくるような、ね。
私は印刷の時代が終わったとは思ってませんが、ネットでは印刷でできないことができます。動画だったり、リンクだったりね。

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毎号どのように制作しているのですか?そのプロセスを教えてください。

だいたい一つの号を制作するのに7週間かかります。最初の週はブレインストーミングとリサーチ。2~4週目はインタビュー集めとコントリビューターのコーディネート。5~6週でピンチが。例えば時差で記事が遅れるとか。編集もアーティストもプロダクトもここが力の合わせ時です。最後の週はレイアウトで死ぬほど忙しいです。アートチームのコントリビューターを困らせたり、締め切りを過ぎた記事にマジギレすることもあります。 (笑)
毎号はいつも前の号で予告しています。8月の号は7月27日に上がりました。

ストリートスナップは、主にシンガポールで撮影しているのですか?

そうです。今後はSHIFTも協力してくれるので、日本からも加わりますね。今グローバルに活動しようとしているところです。世界中から親切な読者がKVLTureにオファーをくれるのでクレイジーでオシャレでマッドフォークな要素をそこで見つけられるでしょう。

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毎月のテーマに沿った質問をする理由は?

他のストリートスナップの企画みたいに「何を着ていますか?どこで買いましたか?」というのはしたくありませんでした。
私たちが本当に興味を持っているのは、どうやってアプローチをかけて、ランダムに見える質問で驚かすか、ということなので。

シンガポールで人気のブランドとアーティストを紹介してください。

ブランドでいうと「Baylene」が一番好きです。生地が最高で縫製が奇麗で、シルエットが好きです。「Antebellum」も好きですし、「Pettifogr」や「Womb」もとてもいいです。
アートでは、パフォーマンス・アーティストのアンジー・シアーとコンセプチュアル・アーティストのヒーマン・チョンの作品が好きです。ミュージシャンは、MUON、Moods,、kuma。

記事のテーマ(アーティスト、デザイナー等)はどうやって決めていますか?

私たち3人で膨大な量のリサーチをした上でテーマについて話し合って決定します。
私たちの好みが凄くよく似てるので、将来的に何をやっていくかで普段口論したりはしません。お互いの好みを理解しあっているし、私たちが取り扱っているのはそんなに信用性を重視するようなものでもないので。でもガイドラインはあります。「素晴らしい(かつ自然な)作品をつくりあげること」それと「無茶しすぎないこと」。私たちは自身を確立するのに時間や痛みを要し、広報手段を持ち合わせていない人々を応援しています。

KVLTをどのように発展させたいですか?

将来的には、ビデオインタビューや展覧会やイベント、商品開発にも挑戦してみたいですが、今はこのウェブマガジンを作り続けることと、ネットで一番の新しくてワクワクするようなサイトにしたいです。

KVLTはあなたにとってどんな意味を持ちますか?

KVLTとは、学歴的な意味ではない知性、エリートになるということではない不明瞭さ、気まぐれではない温かみを持った明かりなのです。KVLTであるということは、先ほど冗談で言いましたが「無茶しすぎない」範囲で、皆が良く知るギグで子供になりきるということです。音楽やアーティスト、ブランドについては博識だけど、決してその知識に溺れないと思っているような。

Text: Kazumi Oiwa
Translation: Haruka Kibata

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