フェデリコ・ウルダネータ
これからやってみたいことはありますか?
僕は物理的な音が大好きです。デイビッド・ビルネの新作はとてもいいと思いました。名前は忘れましたが、ニューヨークで行われたものです。おそらく他の都市でも演奏されたでしょう。彼は沢山のモーターにピアノやオルガンといった楽器をつなぎ、家や倉庫など、あらゆる空間全体を楽器に変えたのです。
こういった作品には音楽同様、終わりがないと思います。ビルネが一度この作品を作ったら、それは新しいアイディアのバリエーションを生み出すのです。既に多くの人に作られたものであっても、僕はそれに面白さを見いだすのです。
Remote © Federico Urdaneta
あなたのインスピレーションはどこからやってくるのですか?
ただ座って音楽を作ります。そしてできたものを聴き、そのはじめのステップに作業を加えていきます。僕にとってインスピレーションとは行動から生まれるものです。
音楽に関して、あなたの独自性とは何ですか?
それは僕がコントロールできるものではありません。そのような独自性は、意識的に加えられるものではないのです。僕ができる音楽の作り方はひとつしかありませんが、音楽そのものはとても抽象的なものです。抽象のなかに存在する自然現象で、もっともアートらしくないものなのです!
音楽は何の真似もしません。そして言語化することが難しく、僕はそこが好きなのですが、それゆえ音楽を商業的な目的で使うことは危険なのです。
でも質問に答えるなら、音楽を商業的にも使うことができる方法を僕はスタイルとして持っています。僕が商業的なプロジェクトを依頼されるのは、そのスタイルのおかげだと思っています。
商業的な目的で映像や音楽づくりをすることと、インスタレーションはどう違いますか?
インスタレーションのために音楽づくりをする時は大抵、システムや楽器を作ってそれを誰かに演奏させます。自分のセンスによる選択が、音楽のキャラクターや楽器の具合をコントロールしますが、パフォーマンス自体は自分のものではありません。僕のできる最大のことは、楽器を制作することで美しく楽しい演奏を保証することです。
商業用の場合は大抵、そのまま店頭に並べられるような完成した曲を作りますが、サムソン・サウンドスケープのプロジェクトは前者との中間といえる作品でした。あれは楽器と言うよりも、高精度のプレイリスト、もしくはループシステムでした。
次のプロジェクトについて教えて下さい。
卓球か野良犬に関しての短編映画を作る予定です。
どうして卓球か野良犬なのですか?
卓球は視覚的に大好きなのです。催眠的な感じのリズムがあって、そこが好きです。
あと僕は常に、野良犬は定住しないという事実が気になっています。野良犬がどこへ行くのか、どこから来たのか知りたいのです。
野良犬を追いかけたことは?
一度もありません。
あなたはコロンビアで生まれたのですよね?
そうです。
子どものころの経験が今の自分を決定したと感じますか?
何か特別なものがひとつあるとは思いません。僕はとてもオープンで、アートを尊重した環境で育ちました。とてもいい少年時代を過ごしましたよ。
たしかそのころは物書きになりたかったと思います。
ご両親もアートに興味をお持ちなのですか?
特に何かをしているわけではありませんが、アートが大好きで、何より音楽を愛しています。
Text: Waiming
Translation: Shiori Saito