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青参道アートフェア 2008

HAPPENINGText: Tatsuhiko Akutsu

「火付け役」。こう言ってしまうと、なんだか「アートで町興し!」みたいな、ちょっと在り来りで野暮ったいイメージを持たれてしまいそうだが、勘違いしてはいけない。青参道には、アルゼンチンのカラフルで個性的な洋服・ランジェリーを扱うお店があったり、(デザインが凝っていてこだわりの強い)ベルリン(ドイツ)やブラジル、フランス、ベルギー等のブランドを扱うセレクトショップやブランドショップが並んでいたり、ちょっと隠れ家的なパスタ屋さんがあったり、可愛い雑貨屋があったりする。別に廃れているわけでもなく、中途半端ということでもない。ある意味で、”表参道と青山通りに挟まれている通り”の名にふさわしい通りにはなっている。それでは、この通りでアートに何ができるのだろう?

青参道アートフェア 2008
Nigel Scott

僕は、ファッションに精通している人間ではないので、そういう類いのショップにはあまり行く機会がない。しかし、そこにアートが展示されていると聞けば、なんの躊躇いもなくお店に足を踏み入れ、作品をじっくりと好きなだけ眺めることができる。そして、必然的にお店のスタッフとコミュニケーションをとる。お店の中を観察する。はたまた、かっこいい洋服が気になる。もしかしたら、一点くらい買ってもよかったかもしれない。アートを見にきたはずなのに、いつの間にか他のものに目移りしてしまった。でも、ちょっと大人になった自分、ちょっと違う関心を見つけた自分に気付いて、「たまにはこんな寄り道もいいかも」そう思える瞬間だった。

青参道アートフェア 2008
HOME-ACCESSORIES THE TABLE by CHRISTOPHE COPPENS

自分で地図を持って通りを散策するこのアートフェアには、大きな美術館や会場を使って行われる展示会とは違った楽しみがある。違う自分を発見するドキドキ感や、人とのコミュニケーションの中で生まれる新しい気付き。実は、寄り道には結構勇気がいる。それも当然、自分の知らない世界へ足を踏み入れるのだから。でも、その勇気を振り絞って一歩違う角を曲がれば、ふっと力が抜けて楽になり、新しい世界があなたを待っているのだ。

青参道アートフェア 2008
MARIANA CORTÉS

大きい通りも魅力的だけれど、ちょっとだけ飽きてしまったら、知らない角を曲がって、いつもと違う道に入ってみよう。思わず嬉しくなってしまうような発見と出会えるかもしれない。そんな寄り道に打ってつけの通り、それが青参道だ。

青参道アートフェア 2008
会期:2008年10月31日~11月3日
会場:H.P DECO(渋谷区神宮前5-2-11)を中心とした通り一帯
主催:青参道実行委員会
協賛:アッシュ・ペー・フランス株式会社
問合せ:03-3797-1507
https://www.aosando.com

Text: Tatsuhiko Akutsu
Photos: Tatsuhiko Akutsu

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