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ライジング・サン 2008

HAPPENINGText: Kazumi Oiwa

20時頃になって開始した打ち上げ花火に歓声をあげながら、1日目も「東京事変」として同じく「サンステージ」でライブをした椎名林檎の登場を待つ。今回は一人でのライブとあり、どのような世界を見せてくれるのだろうと始まる前から期待しつつ、ステージを見るとグランドピアノがセットされていた。いきなり登場したのは白い正装姿の「斉藤ネコカルテット」。こんな場所で斉藤ネコを見れるとは夢にも思わず驚いている中、引き続きこちらも白いロングジャケットを着た椎名林檎が凛とした姿で登場。素敵なストリングスと共に彼女の歌声が切なげに響き、抑えられた照明と暗い空がとても効果的だった。バート・バカラックから楽曲提供「you」を初披露してくれるなど、今までバンドサウンドでしか聞いたことがない椎名林檎の曲がクラシカルにアレンジされており、至福な1時間だった。

ライジング・サン 2008

そのまま「サンステージ」に残り「ZAZEN BOYS」を見ることに。さすが個性の集合体、そしてライヴを数多くこなしている彼らの演奏は頭がおかしくなるくらいかっこいい。演奏を何回も止めては挟む、ボーカル向井秀徳のMC『止まっては走り出し、止まっては走り出す。』まさにそれを現すような、次々と変わる曲調と吐き出される歌詞が独特なZAZENワールドを見せつけてくれた。

「レッドスターフィールド」から出店ブースまで、会場全体に集まった人の数に驚きながら待つのは「EGO-WRAPPIN’」。『空港から、直接駆けつけました!』という威勢の良いかけ声が会場に響きわたりライブがスタート。新曲も多数披露し、終始飽きさせない心地よいアップテンポなリズムと歌の力強さに、ライヴならではの一体感と時間を忘れさせる魅力を存分に味わう事ができた。

ライジング・サン 2008

ここまでノンストップに取材をしてきた体がとうとう疲労感に溢れてきた。まだまだRSRは続くと思うと少し体を休ませるべく、「ボヘミアンガーデン」近くの「フォレストテントサイト」へ向かう。今回も沢山のアートスペースが設置される中、「フォレストテントサイト」でのCandle JUNE「TAIRA-CREW ††~タイラクル~」は本当に森の中へと迷い込んだかのように思わせる素敵な空間だった。しばしキャンドルの炎の揺れに身を預け、仮眠をとることに。

ライジング・サン 2008

今回の取材のラストは、これまた以前シフトで取材した北海道出身バンド「サカナクション」。彼らは2006年、公募出演枠としてRSRに参加。そこから一気に独自の世界観を築き、今や大きなイベントに引っぱりだこだ。観客からは『おかえり』と声がかかり、ボーカル山口は照れくさそうに『ただいま』と答え、メンバーもステージ際まで来てくれたりと、応援してくれているファンに音楽でお礼を伝えているように見えたライブだった。ロックとエレクトロニカが融合し、響きあう彼らのサウンドは深い時間帯に合っており、体がどこかに飲み込まれそうになった。

ライジング・サン 2008

「サカナクション」のライブが終わり、RSR10周年を記念し作られた「レッドスターカフェ」で暖かいコーヒーを飲む。
ここでは過去9年に及ぶRSRの歩みがダイジェスト映像で上映されており、時間の経過とたずさわる人の多さ、今や北海道の夏に無くてはならない重要なイベントとまでなった事を感じる。始めは一つしか無かったステージが7ステージになり、15組だったのが今や100組を超えるアーティストが海を渡り、北海道へやって来る。RSRでの2日間は北の大地に住む者としては、とても貴重な時間なのだ。

今回、取材という形でRSRに参加し、プライベートで来るのとは違った角度から、改めて国内4大フェスティバルの一つと言われるRSRの凄さを感じた。これからも更なる発展をし続け11年目へ向かうRSRに期待し、興奮冷めやまぬ中、会場を後にした。

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 in EZO
会場:2008年8月15日〜16日(オールナイト開催)
会場:石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ(小樽市銭函5丁目)
https://rsr.wess.co.jp

Text: Kazumi Oiwa
Photos: Kazumi Oiwa, Yurie Hatano, Naoko Miura

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