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アネット・メサジェ展「聖と俗の使者たち」

HAPPENINGText: Wakana Kawahito

展覧会のタイトル「Annette Messager: The Messenger(日本語の題は、アネットメサジェ:聖と俗の使者たち)」はメサジェという苗字がフランス語でメッセンジャー、つまりメッセージをもたらす人を意味することから付けられた。アートを伝える使者としてのメサジェは『芸術には答えがない。あるのは問いだけだ』という。

アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち
ドレスの物語/1990年/洋服、写真、素描、紐、ガラスケース/サイズ可変

様々な問題を抱えて閉塞感が漂う現代社会。そんな中での昨今のアートブームは、多くの人がアートに個人的な問題や社会的な問題の答えを求めていることに起因するようにも感じられる。

アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち
《キマイラ》/1982-1984年/アクリル、油彩、白黒写真、メッシュ、壁にアクリルペイント/サイズ可変

しかし、芸術は答えを持ち合わせない。“問い”のみがある。とアネットメサジェは言い切る。結局のところ、答えは見る人自身の中にしか存在しないのだ。

アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち
《つながったり分かれたり》/2001-2002年/コンピュータ、布製自動人形、縄、滑車、電動機、ケーブル、木製槍、布製玩具、布製柱と柵/サイズ可変/Collection Musée national d’Art Moderne, Centre Pompidou, Paris

この展覧会は、個人的な問題を社会の問題にし、また社会の問題を個人的な問題として、見る人それぞれがアネットが出す“問い”の答えを考えていく。そんな プラットフォームとしての重要な役割を担っていると感じた。どんな人でも、ハッとするそんな“問い”が沢山詰まっているのだ。

アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち
会期:2008年8月9日(土)〜11月3日(月・祝) 会期中無休
時間:10:00〜22:00(火曜10:00〜17:00)※入館は閉館の30分前まで
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53 階) 
住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー(53階)
入館料:一般 1500円、学生 1000円、子供(4歳以上−中学生)500円
主催:森美術館、ポンピドゥーセンター・パリ国立近代美術館、朝日新聞社
後援:フランス大使館
助成:CULTURESFRANCE
協賛:株式会社大林組
協力:日本航空、ニコラ・フィアット、ボンベイ・サファイア
日仏交流150周年記念公認イベント
http://www.mori.art.museum

Text: Wakana Kawahito

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