ニューライフ・ベルリン・フェスティバル 2008

HAPPENINGText: Peta Jenkin

参加型のアートは簡単に社会で実験でき、アーティストが彼ら独自のセオリーと実行を怪しまれながらも公共の場でテストできる。「ポウェル・オペラ〜非音楽家のためのミニオペラ」と称し、一般公募でオペラを作り上げるためメンバーを集め、一回のリハーサルのみでフェスティバルの最後の日にパフォーマンスを行った。

一回のみのリハーサルで、果たしてどうしたら未経験のシンガー達とパフォーマンスをうまくやり遂げることができるだろうか?アーティストでもあり作曲家、そしてこのプロジェクトのディレクターでもあるフランク・レボヴィッチに話を伺った。

『実験をしてみようという気持ちがあったんです。ジョン・ケージやクリスチャン・ウルフのような社会的行動としての音楽の可能性を開拓した、60年代の実験的な音楽の精神に基づいてるんです。このパフォーマンスでは、階級も拍子記号もありません。詠唱とグループを順にまわしていくというシリーズなんです。』

ニューライフ・ベルリン・フェスティバル
Opera Rehearse © Viviana Druga

結果はもっと混乱したものにもなり得たが、実際メロディーが眠気を誘い、詠唱に一人の声が区切りをつけていくようなものだった。参加者の一人、アントニオに感想を伺った。

『普段は歌を歌ったり楽器を演奏することはないんですが、こうして参加して、遊びに理由を持つのは楽しいです。ただ、パフォーマンスでは他の人々が歌い終わっているのにまだ僕は自分のパートが残っている所があり、観客の目が自分一人に向いたときはすごく恥ずかしかったです!』

ニューライフ・ベルリン・フェスティバル
Opera Perform © Viviana Druga

パフォーマンスに訪れた人とアーティストを引き付けることはコミュニティのような感覚であり、共同体として人々は新しい表現の方法で斬新な作品を創ることができる。観察者でいるよりも、遥かに思い出に残る経験になるだろう。最後のオーディエンスの評価の結果のメリットをとるよりも、参加者自身の経験の占める割合の方が多いのではないだろうか。

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