グローガウ・アーティスト・イン・レジデンス
PLACEText: Peta Jenkin
このセンターでのレジデンス期間を終えようとしている他のアーティスト、ディビッド・マロトもそれに同感した。彼は、ロッテルダムを拠点にするスペイン人のビデオアーティストで、3ヶ月のレジデンスプログラムのためにベルリンに来ている。『僕は、スペインのアートシーンはかなり制限されたものだと気づいたんだ。僕が創っているような作品は向こうではあまり関心をもたれない、なぜならビデオアートやアニメーションは全体的に理解しやすいものではないんだ。』
Open Studios April 2007, view from the work of Standard Euro © Katerina Valdivia Bruch
ベルリンは何の制限もせずに、アートを創り上げるためのクリエイティブな思考とチャンスを提供する。そして、グローガウのねらいは、それに加え、アーティストが易動性を楽しみ、他の国のアーティストとプロジェクトを協力し合える、国際的な輪を築き上げることだ。グローガウには国際的コラボレーションもあり、そんなプロジェクトのひとつが、ベルリンを拠点にした日本人ビデオアーティストでありパフォーマーの松並えりか、ギリシャ人の作曲家、また音楽家のアントニス・アニッセゴスによる「トランス+」だ。彼らは2008年の5月にベルリンで行われるプロジェクトに向けて、日本人のビジュアルアーティスト高橋匡太を招き入れている。彼らの制作プロセスの最後の月は、そこで生活し制作活動するゲストアーティスとして、高橋さんとともグローガウで行われる。
では、グローガウの次なるものはなんだろう?興味ある情報としては、レジデンス空間のすぐ横に、新しいギャラリー空間が予定されているということだ。それによって、アーティストたちが、センターにつながっていて、もっと定着したアートを見せる場が得られるということだ。また、アートディレクターのカトリーナ・ヴァルディビア・ブルッフは、沢山のヨーロッパの街との間でプログラムを交流できるようにする、もっと便利な国際的リンクをつくることに忙しくしている。
Arts and Conversation: The Uncanny, Stargate © Simonetta Fadda
グローガウは、文化の交流と表現のための重要なセンターとして、そして反対に全く新しい空間としての確立の道を歩んでいる。もうすでに、ベルリンのアートシーンに欠かせないものとして証明されている。広い分野のアートに開放され、いろんな文化のアーティストに創造する許可を与え、地元のベルリンの人々に絶え間なく変化するアートプログラムを味あう機会を与えるレジデンスプログラム、そしてアート空間を見るのはとても新鮮でおもしろいものだ。
GlogauAIR
住所:16 Glogauerstrasse, 10999 Berlin
TEL:+49 30 612 2275
https://www.glogauer.net
Text: Peta Jenkin
Translation: Fumi Nakamura
Photos: Courtesy of GlogauAIR