カネ吉別邸

近江八幡旧市街のランドマークとなる日牟礼八幡と白雲館から徒歩一分に位置するカネ吉別邸は、近江牛のカネ吉の所有する町家で、かつては材木問屋だった。

ヨーゼ・スラク

三和土の広がった玄関を入ると、ヨーゼ・スラクの絵画が吹き抜けを利用し壁面いっぱいに吊るされていた。

田辺由子

それに対するかの様に框の先には壁一面に白いフェルトが吊るされていた。これは田辺由子発案による『よーじ手芸プロジェクト』という参加型プロジェクトで、日常的に使い捨てられる爪楊枝を利用し色のついた毛糸で来場者が刺繍する。年齢性別分け隔てなく来場者の多くが参加する光景が見られた。

亀井麻理

よーじ手芸プロジェクトの裏にはかつての丁稚部屋への階段が続き、上った所には亀井麻理のインスタレーションが広がっていた。

中川佳宣

玄関の奥に続く坪庭をとおり抜け、再び広がる吹き抜けの三和土には、ふとすると見過ごしてしまいそうな中川佳宣の作品が、彼の昔からそこに鎮座する様に上方に吊るされていた。

市川平

框を上がり、中に入ると市川平の巨大なクリスマスツリーを模した鉄のオブジェが欄間を辛うじてすれるぐらいの高さに横たわっていた。座敷を抜けた先の庭には泉理恵のユーモラスな形をした陶器のオブジェが庭の精霊の様に点在していた。その庭の向こうに、かつてのこの屋敷の持ち主の栄華を忍ぶことのできる風格のある蔵があった。

石田智子

重厚な扉の向こうには、光差す小さな窓の下に石田智子の作品が広がっていた。

カネ吉別邸

その他カネ吉別邸には、アニメーション作品を中心に上映しているカネ吉シアターや、ビエンナーレグッズや作家の小品が買える物販コーナーがあった。