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ボリス・ホペック展

HAPPENINGText: Gudrun Rau

個人的に私はいくつかのものに邪魔されて完璧ではない見た目にできあがっている透明と幾何学模様でできたものの組み合わせが好きだ。この邪魔をおこしているものはまったくといっていいほど今日存ずることがおかしい。まるで水彩が限られた範囲の中で渦を巻いているようなのだ。段ボール箱の上部が取られてしまったときのようである。楕円の形をした瞳のひとつから流れてくるスプレーペイントの雫のよう。かなり強烈な題材は過敏なまでの完璧主義によって和らげられた。

性器、尻軽者、ヒトラー、怪物、セックス、生と死、この全てが共に愛情をもって扱われているのである。そして、たびたび適切な摂取量のユーモアと共に。なぜだかヒトラーの人形の陰毛が、かの有名な彼のあごひげと同じ形をしているのは笑えることだろう。それともそれが逆になっているときであろうか、白い髪と黒い顔の、白いかぎ十字のついたグリーンのブレザーを着た独裁者。まるで全てのホペック・パペットに生殖器がついているように。スタイリッシュだが自然なのだ。

展覧会のオープニングの夜がついにきたとき、巨大なオブジェは終わりを告げ、アートスペースから残りの段ボールが取り除かれた。ビジターと友人たちは女性によるオープニングを見ていた。ギャラリーのスタッフとアーティストの緊張の糸が切れ、ようやくみんながリラックスすることができた。

ヘリウムカウボーイアートスペースの4周年記念のため、シャンパンが無料で配られ、ククシナポートノバによる素晴らしい音楽が洗練された空気を作り上げていた。夜が深くなるにつれごくわずかなビジターしか残らなかったが、酔いがかなりまわってきたらしく、洗練されているとはいいがたい雰囲気になったが、むしろ最高潮に楽しい夜だった。次の朝、幸せな気持ちをつれてかえる皆の背を見届けた。

Boris Hoppek “I won’t fuck with you tonight!”
会期:2007年3月31日〜5月25日
会場:Heliumcowboy Artspace
住所:4 Sternstrasse, 20357 Hamburg
http://www.heliumcoboy.com

Text: Gudrun Rau
Translation: Yukino Kotake
Photos: Gudrun Rau

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