ソナー 2007

HAPPENINGText: Julio Cesar Palacio

ソナー2007の最終日は、フェスティバルの仕上げに相応しい濃厚さと多様性を示した。ユニークでエキセントリックな狂気、ディーヴォ、グラスゴー出身のモグワイ、スペインのラップクイーン、ラ・マラ・ロドリゲス、プエルトリコのレゲトン使者達、カジェ・トレッセらのライブが繰り広げられる十分に長い夜。巨大なソナー・ナイト・コンプレックス内で、レインボーのような音楽のスペシャルカクテルとなった。

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Devo

その日の大きなセンセーションは、17年間ホーム以外でライブを行なってこなかったディーヴォの存在だった。これは贅沢なことで、誰もが見逃せないと思っていた。観客スペースの最前列は、ソナー・コンプレックスの他のステージにいる客らの親のような年齢層の人たちで埋め尽くされる。彼らは皆、象徴的な赤い円錐の帽子をかぶっていた。

ディーヴォは、黄色の作業着でとてもエネルギッシュに登場。まるでこれまで17年間バッテリーを再充電していたかのように見えた。観客は興奮し、神話的な「ウィップ・イット」「シークレット・エージェント・マン」で始められたショーはヒットを連発する。

ディーヴォは、ポストパンク、エレクトロニック・サイコデリアの全てを披露し、狂気的なディスコハピネスの異常な空間に囲まれた。このベテラン達がステージの上で全てを出し、観客まで皆、踊り、飛び跳ね、演奏し、さらには服を脱いだりもした。老人用下着のブラックタイプに、ナイロンのソックスと短いショートパンツだけという出で立ちで、ショーを終わらせた。

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Mogwai

ディーヴォは衝風で、本当に喜びだった。しかし夜は続く。グラスゴーからのモグワイのパワーと優雅さもまた、驚くべきものだった。観客の中にはイギリスからやって来て、このバンドをとても誇りに思っている人々が多くいた。モグワイのライブは、少なくとも一度は見ておくべきライブの一つである。彼らは実験的、そして環境的ロックの新しい体験を追い立てる。果てしないギターリフと繊細なピアノメロディーがユニークな宇宙をつくりあげる。

一方で、テクノも人を集めていた。ソナー・クラブ・ステージがアメリカのテクノマスター、ジェフ・ミルズの出現によって群がる。今回もミルズの登場は、ソナーを成功へ導くものだった。

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La Mala Rodríguez

スペインの音楽影響のミックスが、ラ・マラ・ロドリゲスのショーで表された。アンダルシアのラップクイーンは、素晴らしい歌詞だけではなく、洗練さと魅力も示す。ラ・マラは、ソーシャルとインティメイトをフラメンコの絶妙のタッチで掛け合わせる。ただただ素晴らしいコンサートだった。

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Calle 13

ラ・マラの直後は、今年のラインナップの驚きのひとつを目撃する瞬間となった。プエルトリコのレゲトンバンド、カジェ・トレッセだ。これまでのライブの時間が延びていて、この時点でプエルトリコのグループには、30分しか残されていなかった。ルーキーであることは大変だと知る。コンサートは少しばかり衝撃的なもので、なぜならカジェ・トレッセは社会的反抗とおもしろいスピーチに歌詞をミックスさせたのだが、ライブで彼らは彼らの曲の中でいつも批判しているヒップホッパーズそのものに見えたからだ。カジェ・トレッセはそれらラテンのヒップホッパーズであるだけでなく、とても粗暴で攻撃的なギャングスタラップ・スタイルとのほぼボーダーラインにいた。

最後のソナーナイトは、これまでダンスと良い時間を求める人々を裏切ることのなかった別のソナーのベテランと共に過ぎていく。フランスのエレクトロテクノクイーン、ミス・キティンのDJが、最後の瞬間まで人々を無我夢中にさせた。

第14回、先端ミュージックとマルチメディア・アートのバルセロナ国際フェスティバル、ソナーは、音楽実験、昼夜の素晴らしいショーの数々、過去数年の復興の最高の瞬間、音の品質、空想的な雰囲気、そしていつまでも若いベテラン、ソナーに期待されたその他全ての喜びの3日間を経て幕を閉じた。

すでに来年の15周年を心待ちにしている!!!

SONAR 2007
日時:2007年6月14日〜16日
会場:CCCB、MACBA、Centre d’art Santa Monica
住所:5 Montalegre, 08001 Barcelona
http://www.sonar.es

Text: Julio Cesar Palacio
Translation: Yurie Hatano
Photos: Julio Cesar Palacio

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