モーション・アワード 2006

HAPPENINGText: Yasuharu Motomiya

ユナイテッド・ボウズは、自分の影が別の場所に映し出されたチクタクバンバンを想起してしまう形状の画面一面のパターン映像をその影の形に変化させる不思議なアンビエント作品。

そして、モーション・アワードを企画・プロデュースしているフリフリカンパニーの作品は、忍者をモチーフにしたアニメーション・ショートフィルム「SHINOBI BLACK&WHITE」。モノクロの画面が次々に移り変わりシーンのテンポの良さとスムーズさに時間が経つのを忘れて見入ってしまい、これがFlashで制作されているかどうかなども同時に全く忘れてしまう。

また、応募作品の中から受賞した作品のいくつかで、グランプリを受賞した城戸雅行の「PICTAPS」はFlashの可能性を余すことなく表現し、ユーモアも感じられる素晴らしい作品だった。

ユーモアでいうと、受賞後のビデオレターで、トム・ヘンニの作品「Homage to the Grip」に登場するキャラクターが翻訳を行っていたのが印象に残った。ちなみに彼の作品は日本を旅行したことにインスピレーションを受けて作ったのだという。

招待アーティストの魅力ある面々の他に審査員にも強力なメンバーが揃うこのモーション・アワード、審査員の一人、内山光司が語るところの、Flashの機能の予想外の使い方というメッセージを形にしていた作品が数多くあり、特に実際に使っている人たちにとってアイディアを刺激する作品ばかりだった。そして、中にはFlashという存在自体が見えず、一つの純粋な作品としてのアウラを持つものが幾つかあった。

高校生以上を対象として募集され、実際に高校生の受賞者もでており、Flashがどこまで広がっていくのか可能性を感じ、今後このようなアワードが継続的に行われることが未だみぬFlashユーザーのモチベーションを刺激する。

Adobe Presents MOTION AWARD
会期:2006年12月15日〜18日
会場:ラフォーレミュージアム原宿
住所:東京都渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿 6F
TEL:03-3475-0411
主催:アドビ システムズ 株式会社
企画・プロデュース:株式会社フリフリカンパニー
https://motionaward.net

Text: Yasuharu Motomiya
Photos: Yasuharu Motomiya

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