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「アラン・フレッチャー:グラフィックワーク(そして遊びの)の50年」展

HAPPENINGText: Sayaka Hirakawa

プリントの担当者があまりのまぶしさにサングラスをしないと作業ができなかった、と語るオリベッティの蛍光で描かれたポスターからは、色の魅力が、ベーゼルの公園のためにデザインされた、あらゆるものの形(鳥や猿、植物や道具、スポーツなど)が切り抜かれたフェンスからは、形のおもしろさが、存分に伝わってくる。おもしろいゲートがないから、と自宅のゲートをアルファベットを縦に長く長くのばしたフォントで作ってしまう。この人は、本当にデザインを楽しんで、そして愛していたのだろう。

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そして面白みを追求するだけではなく、クライアントの意向をしっかりと理解し、需要にあったデザインを供給する、ということ。その対象である商品や企業と、イメージがぴったりと合うデザインであることにも、フレッチャーは非常に長けている。60年代にデザインされたヴィクトリア&アルバート美術館の「V&A」というシンプルなロゴが、現在でもなおしっくりと馴染んで、使われていることもうなずける。

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アラン・フレッチャーの50年を辿るには、たっぷり一時間以上はかかるだろう。そこに溢れるアイディアやスタイルはグラフィックデザイナーでなくとも、きっと十分に楽しむことができるだろう。そして、デザインというものが、いかに私たちの生活を、ほんの少し明るく、楽しく、彩りうるということに気付かされ、なんとなく嬉しくなったりするだろう。

Alan Fletcher: 50 Years Of Graphic Work (And Play)
会期:2006年11月11日〜2007年2月18日
会場:Design Museum London
住所:224-238 Kensington High St, London W8 6AG
TEL:+44 (0)20 3862 5900
http://www.designmuseum.org

Text: Sayaka Hirakawa
Photos: Sayaka Hirakawa

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