「FIX・MIX・MAX!」現代アートのフロントライン(最前線)

HAPPENINGText: Shinichi Ishikawa

セバスチャン・ザリウス「Untitled」は展示方法も個性的な作品の多い中、シンプルでカラフルなグラフィック作品を並べた作品。平面展示の基本ながら目を引くものであった。並び方は一見整然としているけど、ひとつひとつの作品がフレームからから飛び出すようなポップで元気の良さが感じられた。


セバスチャン・ザリウス「Untitled」

端聡「過去は今によって変わり、未来は今によってII」。札幌のベテラン作家の作品である。壁面の平面作品のほかに目の前に譜面台のような作品がある。自分の印象ではその譜面から指揮を受けて作品が音楽のように壁面にうねりながら、広がっているように感じられた。


端聡「過去は今によって変わり、未来は今によってII」

黒田晃弘「ひとの世界について、まだ、なんにもわからないな」。似顔絵を木炭で書いた作品。その自然なタッチと壁面を埋め尽くす展示数が圧倒的であった。その迫力と対照的な作品タイトルは作家自身が作品を制作する中で感じた、人間の一人一人が持っている多様性、奥の深さなのかもしれない。


黒田晃弘「ひとの世界について、まだ、なんにもわからないな」

今回の展示会は、札幌に住む人々が主体となって地元の現代美術の作家を紹介していくという試みである。難解なイメージのある現代美術を沢山の人に見てもらって新鮮な刺激を受けて、楽しんで欲しいという主催者のコンセプトがあるそうだ。札幌の「観せる側」としての新しい動きとして、今後の広がりを期待していきたい。

僕が取材中、お年寄りや中学生の団体がスタッフの説明を受けながら展示作品を楽しんでいた。誰もが気軽に楽しめる現代美術展として次回にも期待したい。今回行く機会を逃した人は次回を楽しみに告知情報を待って欲しい。

参加アーティスト:今村育子、伊藤隆介、大竹伸朗、上遠野 敏、木村太陽、黒田晃弘、高 幹雄、武田浩志、端 聡、坂東史樹、真砂雅喜、祭太郎、チョーク・ビアー、セバスチャン・ザリウス

「FIX・MIX・MAX!」現代アートのフロントライン[最前線]
会期:2006年11月10日〜19日
時間:9:30〜17:00(月曜日休館)
会場:北海道立近代美術館
住所:札幌市中央区北1条西17丁目
TEL:011-644-6881
https://www.fixmixmax.com

Text: Shinichi Ishikawa
Photos: Shinichi Ishikawa

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