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ライジング・サン 2006

HAPPENINGText: Miwako Nakazawa

2日目の19日土曜日は、朝から晴れた。スタートは13時。「サンステージ」一発目、モンゴル800の登場で盛り上がった会場が、ステージ横の大画面に表示された「駒大苫小牧高校、決勝進出決定」の文字でさらに盛り上がる。後に号外が配られた。

「サンステージ」までに向かう途中、今年も様々なアーティストによって創り上げられたアートな空間が目に入る。印象的だったのは思わず近くに行きたくなるような、廃車いっぱいに描かれたYOMIの絵。

次に向かったのは「ムーンサーカス」。UAとサックス奏者、菊池成孔のジャズセッションだ。UAの伸びやかで芯が太く、やさしい歌声に表情豊かな菊池成孔のサックスが絡み合う。一つ一つの音が心に染みるようだった。向こうの空がだんだんと赤く染まる。夕焼け空にUAの声が響き渡った。

再び戻った「ムーンサーカス」。元YMOの高橋幸宏によるアンビエントなエレクトロニカ。落ち着いたMCに、ムーディなサウンドで、観客を静かな異空間に誘い込 む。

続いて、レイ・ハラカミ feat. 矢野顕子。レイ・ハラカミが5分早くスタート。2曲を披露した。身体に気持ちいいグルーヴが自然と体をゆらす。

そして皆の掛け声で登場した矢野顕子の天使のようなやわらかな歌声が加わり、最高に心地よい空間が生まれた。矢野顕子のソロも最後になろうかというとき、花火があがった。まわりに何もないからか、上がった花火をすごく近くに感じた。『じゃあ、花火の伴奏をします』と言って、矢野顕子が気持ちよさそうに歌う。贅沢な時間を過ごした。

オリエンテッドな透明感と広がりを感じさせる繊細なサウンド、叙情性が全国的に話題を呼ぶ札幌拠点のスリーピーもライジングサンに初登場。「ムーンサーカス」とは対象位置にあるステージ「グリーンオアシス」で花火のあがった最高の時間帯にスタート。最終曲に選んだ1stアルバムからの「Scene」で観客を完璧に魅了した。

もと来た道を戻り、向かったのは一番奥の「ボヘミアンガーデン」。マルコス・スザーノ+沼澤尚+迫田悠 with フェルナンド・モウラ、森俊之、 勝井祐二。マルコス・スザーノは、ブラジルを代表するパーカッショニスト。パンデイロというタンバリンのような楽器の第一人者だ。このステージの音は本当にすごかった。リズムの波。最低限のキーボードとサンプリングで、異次元の世界に引き込まれてしまった。ノンストップの一時間半を長いとは感じさせなかった。

少し休息をとろうとしていつの間にか眠ってしまった。気がついたのは4時になろうかという時。「サンステージ」最後を飾ったのは、ケムリ。夜明けにもかかわらず、皆の動きは休まらない。中には飛び跳ねる人も。一番大きな会場は入りきらない人であふれていた。アンコールが終わるころ、ようやく雲の隙間から朝日が顔をのぞかせた。

虹のアーチをくぐりながら来年もまた来よう、と心に決め会場をあとにする。
家へ帰ると疲労感も充実感へと変わり、あっという間に過ぎていったこの2日間を振り返った。

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2006 in EZO
会場:2006年8月18日・19日(オールナイト開催)
会場:石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ(小樽市銭函5丁目)
http://rsr.wess.co.jp

Text: Miwako Nakazawa
Photos: Miwako Nakazawa

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