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ハドソン・パウエル

PEOPLEText: Tim Engel

フィルムを作るのにはどれくらいの時間がかかりますか?

クライアントは、全てにおいて早い仕上げを望んでいるようです。ビデオやインタラクティブ作品をプリントものと一緒に展開するのであれば、大抵時間に余裕がありますが、ミュージックビデオとなると常に慌ただしいものです。

今年の始め、僕達はモトローラの4分のモーショングラフィック作品を手掛けました。このプロジェクトにはたった2人で取り組み、約6週間かかりましたよ。モーショングラフィックス、イコール夜更かし。アイディアをシンプルにして集中するということが大事だということを、僕たちは苦労して学びました。

ウェブやインターフェイスも手掛けていますが、その仕事について教えて下さい。

僕(ジョディ)は、リアリティについて沢山議論してきた場所である「バートレット」のバーチャル環境課で、MSCを学びました。そこでデジタルシステムに絞って費やしてきた時間は、これまでで一番知識を得た実験と言えるでしょう。そこでは、3Dユーザーインターフェイスに長い年月をかけて皆が取り組んできたのですが、多くの人が不器用で能率が悪かったのです。3Dのインフォメーションシステムを使って自分の仕事をすることで、スペシャルディスプレイやインターフェイステクノロジーについて、実際なにがどうして作用するかということを学びました。

2人とも、基本的なタイプやウェブを基本としたインターフェイスを手掛けるのには、充分プログラムに精通しています。何かプリントのデザインをした時に、それがどうやってインタラクティブや、タイムベースの環境に発展していくかが分かるのは素晴らしいことです。


Drawings

ドローイングも素敵ですが、主流ではないのですか?

ドローイングは2人にとって必然的なものです。2人ともドローイングに関しては考えたり、意識して努力したりしません。が芸術家だったので、いつもとても自然なクリエイティブのはけ口でした。鞄にはスケッチブック無しではいられません。ドローイングは全てのプロジェクトに対して、始めの息を吹き込む場所です。

ロンドンのグラフィックシーンについてどう思いますか?

ロンドンのグラフィックシーンは常に動いていて、周りにはいいものがとても沢山あります。ヘルシーだし刺激的です。ジェスロ・ヘインズ、サンダーソン・ボブニコラ・ペコラーロがいるこのスタジオの中だけでも、僕たちはいいものに浸っています。ロンドンにはとても重たい時期も過去にありましたが、今は前進しています。

日本での展覧会のコンセプトはどのようなものになりますか?

メインの展示は、まだ発展中ですが、「レスポンシブ・タイプ」というデジタル作品になる予定です。コンセプトは、タイポグラフィーを展開し、デジタル環境にどのように解釈されるかというもの。フォントデザインと翻訳テクニックはまだプリントをベースにしている状態です。ディスプレイテクノロジーを基本としたスクリーンに対して、より適合するようなタイプシステムを発展させようとしています。リアルタイムで文字に翻訳するシステムは、フォームをコンテキストに適合、反応させることができます。フォントは、フォームを単純化することで小さなサイズでもとても読みやすいタイプになります。そして複雑さを増していくと、もっと大きなサイズのフォント表示に自然に反応するというものです。

現在この展示応用を発展させるのに、素晴らしい人々とそれに取り組んでいます。トム・カーデンマイケル・チャン、そしてジュリエン・ガッチャドートです。また、そのフォントをプリントしたポスターと、これまでに披露した事のない個人的な作品も展示します。

ハドソン・パウエルが次に目指すものは?

僕たちはここまですごく楽しめているし、現在のプロジェクトはデザインやコミュニケーションに対しての考えを広げてくれています。この状態を保つ事と、そういう考えや楽しみがそれぞれのプロジェクトに現れるといいですね。

最後に、何かメッセージをお願いします。

コミュニケーションすること。気取らないこと。コンセプトに深みを持たせるような、そしてより多くの人にふさわしくなるような話しをすること。「ハロー・スタジオ」はいつでもオープンです。

Hudson-Powel
住所:Unit 3-4 Sunbury workshops, 25 Swanfield st., London E2 7DS
TEL:+44 (0)20 7729 6788
studio@hudson-powell.com
https://www.hudson-powell.com

Hudson-Powel “Responsive Type”
会期:2005年10月17日(月)〜30日(日)
時間:11:00〜21:00
会場:SOSO CAFE(ソーソー・カフェ)
住所:札幌市中央区南1西13 三誠ビル1F
TEL:011-280-2240
https://www.shift.jp.org/soso/

Text: Tim Engel
Translation: Yurie Hatano

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