岡本太郎「明日の神話」

HAPPENINGText: Yoshihiro Kanematsu

糸井重里を中心に、横尾忠則や浅葉克己をはじめ、政治家から建築家、作家まで著名人が名を連ねた応援団「TARO BOATS」。日本をクリエイティビティで引っ張り続ける彼らが掲げる「BeTARO!」=「太郎になれ!」ということは、真似るとかではなく(それすらつけいる余地もないのだけど)、そんな太郎的なるものを感じようというメッセージなのだろう。

戦争をリアルに体験した方々や万博とともに夢を共有した彼らも、そして『芸術はバクハツだ!』といまだ強烈に耳に残る僕らや、名前すら知らないこれからの世代も、岡本太郎が表現してくれた圧倒的に透明でクリエイティブな気概の前には、同じ地平にあってつながれること。この実感は、半端なものではない。

第2日本テレビの番組「爆発屋」で風とロックの箭内道彦さんの『ここにこれがあっても“いいじゃないか”。一度そう思ってみると、枠にはまっている自分に気がつくんです。』というコトバが示唆するように、『太郎ならきっとこうするかな?』という感じが、『なら僕はきっとこうする!』という創造性を刺激するのだ。

こうして、それぞれの太郎ストーリーが生き続ける。だからこそ岡本太郎は、もっとも偉大な表現者の一人なのだろう。

岡本太郎「明日の神話」
会期:2006年7月8日〜8月31日 ※雨天・強風時は中止の場合あり
会場:日テレプラザ内ゼロスタ広場
住所:東京都港区東新橋1丁目6−1
http://www.ntv.co.jp/asunoshinwa/

Text: Yoshihiro Kanematsu
Translation: Kenjiro Nakano

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE