モ’エレメント 2006

HAPPENING

今、札幌の短い夏が来ている。毎年書いているような気もするけど、書いてしまうとTシャツ一枚で街を歩ける貴重な期間である。また、札幌近郊、石狩での全国的なロック・フェス「ライジングサン」の季節でもある。ライジング後の8月後半、アートの秋を予感させながら開催されるアート・イベント「モ’エレメント」を紹介しよう。

札幌市内にある、世界的な彫刻家イサム・ノグチが基本設計をおこなった「モエレ沼公園」。沼を囲むような形で設計され、ガラスのピラミッドや、人工的に作られた山、30分ほどのほどのプログラムのある噴水など、自然の中にアートな建築物のある非日常的な雰囲気を感じさせる、広大な敷地の公園である。オーバーな表現ではなく、はじめて来たときには、SF映画の巨大なセットに迷いこんだ気分になった。豊富な自然の中のアートな人工建造物は、インパクトはあるものの不自然な感じはなく、未来での人と街のあり方を示唆しているようにも感じられる。

モエレ沼公園の敷地内にあるガラスにピラミッドを会場として開催されるアート・イベントが「モ’エレメント」である。2004年から現在まで、2回開催されており、昨年度は9日ほどの期間にプロ・アマ、ジャンルを問わず公募された、平面および立体の展示から、映像作品の上映、アンビエント系ミュージックのライブなど、現代アートの40点以上の展示や、ライブ・パフォーマンスが行われた。

前回の様子は、このコラムにてレポートを書いた。僕は昨年は、広報のスタッフとして、フリーペーパー風のフライヤーの制作をおこなった経験があり、運営者に友人もいることから、今回は「モ’エレメント」を主催・運営している人々について、本イベントの成り立ちに触れながら紹介しよう。本イベントへの興味を深めていただければ、ありがたいと思う。

モ’エレメントの開催のきっかけは、展示・ライブ環境として魅力的なモエレ沼公園のガラスのピラミッド内で、自分たちの作品を発表したい…という素朴な発想から生まれた。加えて、知り合いだけで終わるグループ展ではなく、今後の札幌で継続的に続けていく新しいアートのお祭りとして、やっていきたいと数名のアーティストから生まれた。そして、委員会が作られた。

モ’エレメント実行委員会は、有志の集まりで、全員が本業をもちつつ、企画・運営を行っている。スタッフはフリーで仕事をしている人から、勤め人にまで幅広い。職業としてはグラフィック・デザイナー、映像制作、イラストレータなどクリエイティブ系の職種が多い。全員が運営者であり同時にアーティストでもあるのが特長的。もちろん、必ずしも運営者がアーティストである必要はないけど出品者の目線があると、事務局とアーティストとの認識の違いなどによるズレが起きにくくなる、というメリットがある。年齢層は20代後半から30代で、男女比率は半々。開催一ヶ月を切った現在では、毎週末スタッフの仕事場を借りて打ち合わせが行われている。遠距離や、都合で出席できないスタッフは「スカイプ」を使用して打ち合せに参加している。本委員会は細かい部分まで自分達でやり通すインディペンデントな姿勢を持っており、積極性があれば誰でも運営に参加できる開かれたグループ、という印象を僕は持っている。以上から、多少運営側の雰囲気が伝わっただろうか。

もう、ギリギリであるけど8月4日(金)まで出品者を募集している。エントリーの時点では、内容を提示できれば、作品の完成の必要ではないので、夏休みの制作としてトライしてみてはどうだろうか。作品募集テーマは「遊び」。審査あり。興味があったら詳細はウェブサイトで確認して欲しい。

MO’ELEMENT 2006
会期:2006年8月23日(水)〜27日(日)
時間:平日 10:00〜18:00 金/土曜 10:00〜20:00 日曜 10:00〜19:00
会場:モエレ沼公園(札幌市東区モエレ沼公園1-1)
ガラスのピラミッド「HIDAMARI」アトリウム2、スペース1・2
入場無料
お問い合わせ:
モエレ沼アンビエントアートプロジェクト「MO’ELEMENT 2006」実行委員会
info@moelement.com
www.moelement.com

Text and photos: Shinichi Ishikawa from Numero Deux

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