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アントニオーニ 写真展「ブロウアップ ’60年代のロンドン」

HAPPENINGText: Sayaka Hirakawa

『作品に意味を込めたりはしない、作品自体が勝手に意味を成すんだ、探偵小説の中で何か手がかりを探すようにね』というアーティスト自身の言葉も、一連の写真の役割とこのドローイングの関連性を連想させている。

その他の、フォトグラファーのセルフスタジオでのファッションシュートの場面は、アーサー・エヴァンズによる撮影である。成功とお金と女を手にするこの俺様的なフォトグラファーと、ウィリアム・クラインやマリー・クワントを彷佛とさせる60年代のファッション。当時のロンドンの、軽薄さやクレイジーさが、ここでよく描かれているように感じる。

そして、映画の最後にフォトグラファーが目にするのは、パントマイムでイマジネーションのテニスをする人たち。常に被写体を見つめてきた彼が、イマジネーションのボールを、それでもそれが行き交うのを、目で追い続ける。目に見えないもの、その真実と、そして少しのむなしさを感じさせてこのストーリーは終わる。それでもこの人はきっと、あくる日もカメラを手に取るだろう、と私は感じた。

Anotonioni’s Blow-Up: London, 1966 – A Photographer, A Woman, A Mystery
会期:2006年7月21日〜9月17日
時間:10:00〜18:00(月曜日休廊)
会場:The Photographer’s Gallery
住所:8 Great Newport St, London
TEL:+44 (0)20 7087 9300
https://thephotographersgallery.org.uk

Text: Sayaka Hirakawa
Photos: Sayaka Hirakawa

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