客達は即座にテーブルの周りに集まった。姉川作品の一部として使われることを切望し、とても真剣にクラフト制作をする。そして彼らの期待は裏切られなかった。姉川は、それら全ての様々な色やスタイルのみんなが制作した作品を、とてもフレキシブルに、時には要求に応えさえしながら、作品に取り込んでいく。それは本当に見ていて楽しかった。

夜がさらに更けるにつれて、このアーティストの制作を一目見ようとにカフェに集まる人が増え、リラックスした雰囲気の中、ドリンクを片手に楽しんだ。姉川は精力的に制作を続け、その夜の終わりまでに、10作品近くも完成させた。

その夜の全てが、驚くべき作品、心地よい音楽、面白い人達と共に、本当に楽しい体験になった。刺繍はアートフォームとしてではなく、より身近なものとして認識されているものだ。少なくとも現代以前には。しかし姉川は、その観点を変えてゆくのだろうと思う。是非この後SOSOカフェに立ち寄り、作品を身近に見て欲しい。写真を通して見るのも印象的には違いないが、直に見てこそ本当の良さが分かる作品である。

姉川たく個展「hidden curriculum」
会期：2006年7月1日〜28日
開場：11:00〜21:00
会場：SOSO
住所：札幌市中央区南1西13三誠ビル1F
TEL：011-280-2240
協力：phil co.,ltd.
https://www.shift.jp.org/soso/