OFFFフェスティバル 2006

HAPPENINGText: Eduard Prats Molner, Tons May

フェスティバル最終日には選りすぐりの素晴らしい講演者たちが顔をだした。

ヨーグ・レーニ は、絵画装置について演説した。彼は、アドビ・イラストレーターのベクターデータを「スクリプトグラファー」というプラグインを通して解釈可能なロボットのグラフィティ装置「ヘクトール」についても紹介をした。ヘクターは革命的だ!どんなに細かいものも描くことができるし、精密な絵ができあがる。
ヨーグはその他に「リタ」という、更に進化した絵画装置も紹介した。それは色を変えることもできるし、消す機能もついているというものだ。


Hektor in action, Juerg Lehni

ロブ・チュウは、彼のモーショングラフィック作品について講演を行っている。その殆どが彼の兄弟の美しいイラストに基づくもので、彼はその感情的な話の内容を自身が制作したものである驚くような動きの破片とともに紹介しようと試みた。ロブの映像はどういうわけなのか影を持ち、感傷的なものが多い。暴力や戦争における評論映画も精神分裂症患者についてのドキュメント映像においても両方が視聴者に好印象であったし、彼の話のスピーチの終わりには拍手喝采も沸きおこった。

そのあとは、エリック・ナッツキが「キープ・インタレスト」について話し始めようするところであった。エリックは彼の作品の一部や試みについて全てを紹介し、また広告が彼の仕事をどんなに楽しくしているかということも説明している。
彼は数学、物理、また一つ一つのバーナーが持つ興味深いアルゴリズムについて実験するのが好きなようだ。様々な顧客がいる中で、たとえばウェブサイトの顧客、彼は動くスケッチ、洪水の模擬実験、弾性の表面の上での実験などまだまだ色々なことをして技術を探し出すのだ。
そしてついにエリックは「コムキャスティック」とよばれるプロジェクトについて紹介しはじめた。ブランデン・ホールとナッツキともに開発を進めてきた、利用者によって動かされる視覚に関連づけられたパペットを創り出したというものだ。そのパペット装置は「IK」の原則に従って動いているようにも見えるし、またビットマップのトリックのせいなのかとてもリアルにもみえるのだ。


Processes by Casey Reas

ベン・フライとケイシー・リースは恐らく今年最も期待の高い講演者といえるだろう。彼らがステージに上ったときメインホールは隙間が無いほどの満員であったのだから。

ケーシーは環境過程プログラミングの説明から始めた。そのプロジェクトは元来視覚の内容またソフトウェアのスケッチブックや専門的な商品用器具とした範囲の中でコンピュータプログラミングの根本を教えていくために始められたものだ。その過程は生徒やデザイナー、アーティスト、またプログラマーやエンジニアのための供給源用のプロジェクトなのだ。

彼の短い紹介の後ケイシーは、まだ工程中である彼自身の作品例を披露した。彼は幾度も複製し反復を繰り返したとても単純な機械装置(媒体)を基礎においている。
彼はまた、彼の行った過程も紹介してくれる。その過程にはいくつかの形状や、習性またそれらは有機視覚の反応を生み出すとても単純な法則に基づいている。伝達手段も過程も果てしない絵画と視覚化の容量の生成的なプログラムである。

それからベン・フライは、コンピュータ操作の情報デザインについて紹介する。彼の作品としては主にデータの視覚化についてである。人類の遺伝子、言語の根源、ウェブの対数や野球の統計などのデータのいくつかが変化し続け、何度も生成する異なった装置において視覚化されるのだ。

マリウス・ワッツは過程の中で描かれるサウンド駆動装置について紹介する。つまり、どのようにリアルタイムで創りだされたグラフィックが巨大なスクリーン上に映し出されるのか?ということを説明するのだ。
『その大きさではビデオの1フレームを映し出すのは不可能だろう…』過程があったおかげでマリウスは、ひとつの全景の見えるアプリケーションの生成と進化を不断的に何度も繰り返して、巨大な壁いっぱいに映し出すことができた。
彼はまたオーケストラとミュージシャンの共同作品であるものも紹介してくれる。それは美しい色いっぱいで不変的に生まれ出される動きに反応するといった、ライブ音楽の複雑な視聴覚パフォーマンスである。


Golan Levin performing during the closing event. © Borja Delgado

OFFF2006は、ザッカリー・リバーマンゴラン・レヴィンが最後を飾ることとなる。ザッカリーとゴランは、オーディオ・ビジュアル・インタラクションに疎通したトップアーティストの二人だ。彼らの作品は非常に驚くべきもので今までの中で彼らのパフォーマンスが「OFFF」の幕を閉じるのに最も最適だといえるだろう。
ザッカリーが展示された装置についてのライブデモンストレーションを行っている一方で、ゴランはライブ音楽のパフォーマンスで楽しませてくれる。彼はどのような検出される形であっても音波に変換することが可能なビデオキャプチャー装置をベースにする機械を使う。

パフォーマンスの後、ザッカリーとゴランはいくつかの彼らのプロジェクトについて説明する。彼らは気分を掻き立てるような音声と俳優が相互作用した、動きのあるトラックアプリケーションによる、驚くべき舞台演出の引用をする。それには実際に行われた口論から取り出した人間の声なども含まれる。言うまでもなくこの素晴らしいもうひとつのフェスティバルのフィナーレでは会場内全員が盛大な拍手を送るのだった。

これまでにOFFFは、フェスティバルシーンにおいてとても重要なものとして強化されてきた。豪華な講演者陣をそろえることで、入場料もさほど高いと思われることもないものになるだろう。明らかに全てのショーや展示を見て周るのは不可能なことだが。音楽スペースとして設けられた「ルーピタ」、映画フェスティバル、また「オープン・ルーム」は未だに多くの利用者に副次的なものだととらえられている。

初日には、フェスティバルにおいて専門的問題が多くおきてしまった。しかし、それに対する主催者の素早い対応により全てがうまくいったのだった。雰囲気としてはとても感化されるものがあり、開催地としては凄くよい選択だったと思う。これからも更にOFFFは成長し続けるだろうし、翌年には開催地も変えていく必要があるだろう。

来年のフェスティバルがどうなるのか凄く楽しみなところだが、もう既にどうなるのかは決められているようなものだろう。

私たちはロックンロール精神と純粋な創造性の素晴らしいコンビネーションとして、このバルセロナの素晴らしい3日間を忘れることはないだろう。

OFFF 2006
会期:2006年5月11日〜13日
会場:CCCB、バルセロナ・スペイン
http://www.offf.ws/bcn/

Text: Eduard Prats Molner, Tons May
Translation: Yukino Kotake
Photos: Eduard Prats Molner, Borja Delgado

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