NULL*

PEOPLEText: Yurie Hatano

京都、東京で行われた展覧会について教えて下さい。

京都では、2005年1月18日から2月20日にかけてプリンツというカフェ/ブックストア/ギャラリーそしてホテルもが、ひとつになった心地よい場所でnull*初の展覧会を行いました。その時のテーマは、「余白」。余白を意識した作品を求めました。そして、全ての作品の紙は和紙を使用し、余白の部分を大切に生かす、作品群で構成。また、インタラクティブデザイナーもメンバーにいますので、カメラの音声と画像に反応するインタラクティブなインスタレーション作品も同時に制作し、PC+カメラも常設しプロジェクターにてフロアに投影、展示しました。

その後、東京では、2005年9月9日から25日にかけて、コムサ コミューンというファッションブランドからのオファーで、ショップ内での展覧会を開催しました。移動展として開催し、京都でのグラフィック作品とインタラクティブ作品の展示を行いました。そして、このタイミングで、作品をまとめた「null本」というふざけた名前の作品集を制作しました。

2月11日から行われSOSOでの展覧会ですが、意気込みなどを聞かせて下さい。

ヌルく、娘に自慢話できるようないい展覧会にします。(笑)
初日の夜、オープニングパーティでお会いしましょう。オオサワアキラのライブペインティングも見れます。
今回の14の作品は、とてもいいバランスで仕上がっていると思います。個々の個性が強く出つつ、null*のコンセプトが緩く全体でひとつの作品にしていると思います。14の作品を一度に眺めて楽しんでください。
また、今回の14の作品をまとめた広げると約A1サイズの大きな本、二作目となる作品集もその日に発売予定です。

横浜で開催される「エレクトリカル・ファンタジスタ」での出品作品についても教えて下さい。

カメラに反応して動くインタラクティブ作品を2作品、出品しています。作品については、+39さんと鎌田君に話してもらいます。

+39/K.Tozaki (KARATE SYSTEM):
横浜で展示している作品は「Atmosphere(decomposition)」という作品です。この作品はカメラを経由して伝達される空間の様子を分解するインタラクションで、視覚による空間認識を変異箇所の色の抽出という形で表現しています。カメラをデバイスとして動きの無い空間(null領域)の中に発生した、無意識のインプットから生成されるアウトプットを見ることで、空間内に発生した変異を認知させています。まだまだ改良の余地は沢山ありますが、「空気を読む」というような行為をコンピューターを用いて実現できたらいいなぁと思っています。簡単に言うと…w 人の気持ちを理解して反応してくれるものができたらいいなぁと思って作った作品です。w

Talashi Kamada (.spfdesign) :
横浜の「エレクトリカル・ファンタジスタ」に出展している「Factoral Dots(ファクトラル・ドッツ)」は、環境音を検知することによってドット群をリアクトさせながらビジュアルを形成するインタラクティブコンテンツです。環境音の平均ボリュームから一定量突出したボリュームを検知すると、ドット群は全体をリアクトさせながら不必要なドットを消去していきます。全ての不必要なドットを消去し終えた時、ドット群はある形を形成しています。要は、叫べば動きます。で、なんか画になります。
音を加える(+)がドットを消去(-)し、その現象自体が形を形成する行為(+)になる。「-=+」というnullのコンセプトを具現した一例です。※Factoralは造語

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