エレクトリカル・ファンタジスタ 2006
HAPPENINGText: Tomohiro Okada
「tabby」というこのスタイリッシュな毛玉を前についつい触りたくなるだろう。「tabby」は触られたり声を掛けられると、まるでペットが喜ぶように収縮を繰り返しながら光ったりする。『飽きられてしまうペットロボットの限界に対し、ペットのようなインテリアにすることで愛される存在になっている』と作家の植木淳朗は答える。
「tabby」植木淳朗
来場する女性のほとんどがこれを触り、はしゃいで行くという。その未知の存在に対し取材に来たフジテレビのアナウンサーは『アナウンサーとしてのプロは得もいわれぬもの』と言ってはいけないのだが、そうとしか言えないのでつい、カメラの前で口にしてしまったと語る。この不思議な魅力を前に、新たなPC周辺機器としてのハイインテリアの開拓がこの展覧会から生まれ始めているともいう。
「PARO」
一方で、癒しをテーマにしたロボットも存在する。「PARO」というロボットはアザラシの子どもを忠実に再現した上で、癒されるデザインや仕草を導入したもの。その愛くるしさは、孤独な老人のための介護の場にも使われている。
ペットロボットは飽きるといわれているが、「PARO」はぬいぐるみにより一層の愛くるしさをテクノロジーとして導入することで、技術者や趣味の一人よがりではない持つものに依存性を求めるペットさを促しているのである。一体一体はちゃんと散髪されてきれいにされて送り出されているとのことである。
「tabby」と「PARO」、2人の作家がテクノロジーによる癒しのデザインを語り合うトークが、3月12日の19:30より展覧会場内で開催される。
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