稲葉英樹「NEWLINE2」東京展

HAPPENING


すっかり冷え込む12月16日〜12月25日まで、インテリアショップ「トリコ」のギャラリー「information」で「稲葉英樹/NEWLINE2東京展」が開催された。9月のソーソーカフェを経ての東京巡回も一度はペンディングとなったこともあって、いよいよ楽しみにしていたクリエーターやデザインおたくたちが東雲に集結!ビール片手のリラックスしたオープニングパーティをレポートします。

ギャラリー「information」がある東雲の「CODAN」は、伊東豊雄や隈研吾といった著名な建築家も街づくりに参加した、海外のデザインコンシャスたちにも人気の新しい臨海地区だ。デッキのテラスが素敵で、夜のライトアップで一段と魅力的になるハイセンスな街区へは、ちょっと遠出の東京プチトリップ。トリコ2階の会場は、壁に貼られた彩り豊かなグラフィックのプリントアウトが床に散らばったり、平積みされた段ボールも無造作に、ちょっとした稲葉ワールドが出迎えてくれた。

奥にほっそりとたたずむ稲葉さんを発見し声をかける。札幌でのオープニングでもっともエキサイティングだっただろう、その場でアルファベットをつくっていくパフォーマンスがここでも行われた。このときは「あーでもない、こーでもない」と新しい「U」が今にも目の前で発明されていく。「気分で」始めた展覧会のムードそのままの即興的なビジュアライズ、その覗き込むような制作プロセスの生々しさは、グラフィックデザインの新しいアウラを秘めているような、そんな清々しさがあった。

床にランダムにプリントアウトされたひと文字ひと文字は、すべてお持ち帰り自由。それらをつむぎあわせて、勢いで「F*CK」でもつくろうとしたら、「二番目の文字はTなんですけど」と突っ込まれてしまった。その後も懲りずにちょこまかといろいろ組み合わせてみる、このデザインで遊ぶ感じが何とも気持ちいい。

昨年のNEWLINE展@ロケットで、サルマガジンの大橋さんが『グラフィックデザインのシステムとして、その作品と作家性の発露として展覧会を行うことは眉唾物である。』と寄せるとき、稲葉さんの自然体の返答は至極純粋な『卓越した“デザイン力”』だった。それは何もかもさらけ出したネイキッドなところにある、しがらみのないクリエイティビティだ。

アートとデザインの境界もふくめてあらゆるボーダーがなくなりつつある今、うごめく変化は確実に肌感覚に迫っている。そんな中でゆるくリラックスし、気持ちよくオープンで生き生きとエンジョイするような、デザインを心から楽しむ素直な喜びが、ここには詰まっているような気がした。

稲葉英樹/NEWLINE2東京展

会期:2005年12月16日〜25日
時間:12:00〜20:00
会場:information
住所:東京都江東区東雲1-9-17キャナルコート3街区 mYwaY 2F
TEL:03-3532-1901
協賛:ビームスTプリンテム
http://bytrico.com/info/

Text: Yoshihiro Kanematsu
Photos: Yoshihiro Kanematsu and Yosuke Kurita

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