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DAF東京 2005

HAPPENINGText: Yasuharu Motomiya

今回のDAFは上げたもの以外にも多くの優れた作品、アーティスト、クリエーターが参加しており、テクノロジーとアートと人の様々な関係性を体験することができた。また、作品に触れ合うだけでなく、作家本人のパフォーマンスなども行われていた。とりわけ、日本科学未来館で行われたライヴパフォーマンスに触れないわけにはいかないだろう。


「Demi-pas」Julien Maire (2002)

日本科学未来館の館長でもあり、宇宙飛行士の毛利衛の挨拶で始まったスペシャルプログラムのライブパフォーマンス。まずは2年前のトランスメディアーレの記事でも触れた、ジュリアン・メールによる「Demi-Pas」からはじまり、ゴラン・レヴィンとグレゴリー・シャカーによる「Scribble」という2000年のアルス・エレクトロニカ・フェスティバルのために作られた『視聴覚的物質』というコンセプトを持つ作品のライブパフォーマンス。2つのスクリーンには光の線によって抽象的なイメージが描かれその線と呼応して、こちらもまた抽象的な音も生成され、完璧に視覚と聴覚から入ってくる情報はリンクしていることが伺える。


「Drawn」Zachary Lieberman + Pardon Kimura (2005)

そして、全く新しい映像と音楽体験と大きな興奮を覚えた、ザッカリー・リーバマンとパードン・キムラによる「Drawn」は、ライブドローイングがスクリーンに映し出され、その中で突然動き出し同時に音楽も奏でるという、全く見ていて信じられない作品であると共に、その音のクオリティーも素晴らしくその瞬間に立ち会えたことを幸運と思える作品でもあった。様々なソフトウェアにより、音と映像の同時性が追求されているが、この作品が使用しているテクノロジーは大きな可能性を持っていることを観客は驚きをもって受け入れただろう。


「Scrapple」Golan Levin + Gregory Shakar (2005)

また、こちらもゴラン・レヴィンとグレゴリー・シャカーによる作品「Scrapple」は「Drawn」とは別のアプローチから音と映像の同時性によるパフォーマンスを追及していて、カメラがテーブルをスクリーンに映し出し、映し出された映像には走査線が画面の端から端へとずっと同じ進行方向とサイクルで動き、その上に置かれたオブジェクトが走査線に触れると音がでるという仕組み。画面の端から端を1小節で上下を音階と捉えるとオブジェクトは音符の役割を果たす。是非素晴らしいミニマル・ミュージックの演奏家とのコラボレーションを期待したい。

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