アンドリュー・サザーランド

PEOPLEText: Garry Waller

ペインティングとプラスチックでは、どちらが先でしたか?

ペインティングの方がずっと先でした。

プラスチックを使ったきっかけは何ですか?

数年前に、自分のスケッチブックから出て来た漫画のような3つの形を基にして、小さい彫刻の額のシリーズを大量生産しはじめました。元々僕は、木から一つ一つ切り取り、手で機会加工して最終的な断片にしていたのです。この方法では時間と労力がかかりすぎたので、その過程を早める方法としてプラスチックに変えました。必要に迫られたということですね。


Andrew Sutherland, Welcome (detail), 2005, Modified rubber mat, 23″ x 15″

プラスチック作品の制作過程について教えて下さい。

鋳型や鋳物の正式なトレーニングは受けたことがないですが、僕の制作は伝統的なアプローチに近いと思います。オリジナルを創ることからはじめ、そこから型をつくります。一度型をつくったら、2部にわかれた液体のプラスチックを使って鋳物します。色については、塗料を流し込む技術を使います。とてもスムーズで、まるで工場から出て来たような仕上がりになります。裏側を見れば指紋やしずくの跡がはっきり見えて、手づくりだということが分かるんですけどね。こう口で言ってしまうと、とても簡単な過程のようですが、実際には見えないステップがいっぱいあって、時間がかかることなのです。なので、そんなに僕も創ってきていないですし、他から調達することを考えています。


Installation View, 2004, Carved corrugated cardboard panels, 20′ x 8′, Sixspace, Los Angeles, CA

制作過程も作品の一部でしょうか?それとも最終的な結果が大事ですか?

制作過程は大好きです。アイディアが思ういつく場所でもありますし。ただ僕はとても視覚的な人なので、やはり最終的な結果も重要視します。思うにこれは、どちらもなくてはならない関係ではないでしょうか。例えば、僕はどこからともなく何かを発明することができるタイプではありませんが、そんなタイプのアーティストには感服している、というような。頑張って作り上げる部分を持ちながら、自分にとって自然な実地の仕事を続けていくという、バランスに興味があります。

作品は今後どのようになっていくと思いますか?次に挑戦したいことは?

僕は、アイディアを編集し過ぎてしまう傾向があります。完璧に発展させたことがない僕のスタジオに、なにか素晴らしいものを見つけるつもりです。そして、もっと人とアイディアを共有したいです。これからの僕の展覧会は、より広い範囲のアイディアや作品を披露しながら、より折衷的になる気がします。アメリカではいくつか展覧会をやってきましたが、次のステップはもっと国際的なレベルに作品を運ぶことでしょうか。実際今、日本やヨーロッパで行える場所を調査中です。あとは、本の制作についても考えています。

何から刺激を受けますか?

いつも聴いている音楽です。メタリカ、スレイヤー、G’n’R、パブース、ニルヴァーナ、モーツァルト、ハンク・ウィリアムス、ZZトップ、タウンズ・ヴァン・ザント、ウィリアム・バシンスキー。

どんなアーティストに影響を受けましたか?

影響を受けたコンテンポラリーアーティストは、ティム・ホーキンソン、トム・フリードマン、バリ−・マッギー、クレア・ロジャス、ケンゾ−・ミナミ、兄弟のピーター、カウズ、ライアン・マッギニス、ロキシー・パイネ、タラ・ドナヴァン。

アンドリューのショートフィルム作品「フォーメーションズ」を是非見て欲しい。彼の作品に盛り込まれた方法や技術の裏側を知ることができる。

Text: Garry Waller
Translation: Yurie Hatano
Photos: Courtesy of Andrew Sutherland

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