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メルボルンのストリートアート

PLACEText: Andrew Mac, Melodie Mars

90年代終わりには、ステンシルが大流行し、同時にオーストラリアでのグローバル化や数年にわたる政治的保守主義を反映した政治色の強い主張も現れてくる。

ワールドトレードセンターに飛行機が衝突した頃、メルボルンでは街はステンシルに溢れ、シンク、サームや、訪れてきたロネ、シビル、アズラン、アルボ、フィブスといったアーティストの手によってワイルドで刺激的な形へと変化していった。プリズムは規模の大きなステンシル・レボリューションというサイトを立ち上げ、今では既に過去のものとなったが当時中心的なギャラリーを運営していた。

ザ・エンプティ達は使われていない倉庫やシークレットロケーションでの展示を始めた。エバーフレッシュは巨大な手描きの貼り紙を作り出し、ステッカー戦争が度々起きている。アシュテックにおいては大規模な消化器を使った表現を発表し、レックス、1337、ガズ、リスターといったアーティストは定期的にブリスベンからやってきては話題を作って行った。そして、ネイルズ、モンキー、レカ。皆エアゾール・フリーハンドでの彼ら独自の手法を確率していった。偉大なるバリー・マッギーの常識はずれな展覧会も忘れてはいけない。

では、次にくるものは?

そう、それが実に興味深いところ。文化は急速に路上にあるものを吸収している様子で、シーンは今、ギャラリーの展示、グラフィック、組織への仕事、もしくは個々の様々な分野へと広がっている。モンキーは彼のランチョ・デラックス・ショップでの活動を続けているし、シティライツのディレクター、エイマックは高尚なゲリラサロンを開こうとしている(完全予約制)。メルボルン市は間もなく迎えるコモンウェルス競技大会に向けて、ストリートアートを厳しく取り締まっていく政策を発表。カールとジェイクはこの5年間の記録を「ステンシル・グラフィティ都市:メルボルン」として出版している。

というわけで、一般市民や警察は、メルボルンのネズミどもは次にいったいどんなものを壁に持ち寄ってくるかと、神経質に構えている。でも私達はこう言うのだ。かかってこい!

Text: Andrew Mac, Melodie Mars
Translation: Futakawa Yoshitaka
Photos: Andrew Mac

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