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ヘンリー・ハドソン&ステラ・ヴァイン展「美と忌」

HAPPENINGText: Sayaka Hirakawa

シェイクスピア劇の悲劇のヒロイン、オフィーリアに似せて描かれたモスの肖像画は、ヴァインの彼女へのシンパシーを感じさせる。ガーリーな明るい色使いに、感情的にさえみえる厚くなんども重ねたタッチは、どこかアンバランスなティーンエイジを思わせる。彼女の作品をみるたび、ソフィア・コッポラの、ヴァージン・スーサイズを連想してしまうのもそのためだろう。

一方のアーティスト、へンリー・ハドソンは、セレブリティの人気を一晩で、簡単にひっくり返ってしまう力を持つメディア、そしてそれに踊らされる観客を、風刺し、皮肉るような作品を発表していた。ペインティングとコラージュにより、鳥インフルエンザや、ロイヤルファミリーなど、メディアによく登場する題材にしたそれらの作品は、非常にグロテスクに描写されていた。グロテスクでショッキングな表現を絶賛したがるイギリスのアートには、もういい加減にうんざりしてしまう。

Henry Hudson & Stella Vine “The Beautiful and The Damned”
会期:2005年11月24日〜2006年1月21日
会場:Hiscox Art Project
住所:1 Great St Helen’s, London EC3A 6HX
https://www.hiscox.co.uk

Text: Sayaka Hirakawa
Photos: Sayaka Hirakawa

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