トロークバック

PEOPLEText: Garry Waller

僕にとってトロークバックで働く事は、信念の飛躍として欠かせないものだった。なぜならウェブ・インタラクティブ・デザイン界に限って働く事に対して、日に日にストレスが溜まり始めたからである。もう長い間、モーション・デザインに興味を持ってきたが、ぼくのアニメーションはいつも “ワールド・ワイド・ウェブ” による制限の中で、変わってしまっていた。特に “帯域” の問題が原因だ。そして、主にフラッシュなど、インターネット上でアニメーションを作成する道具が制限的で扱いにくいという実体もあった。しかし、今ではどんなフル・モーション・ビデオも可能に見える。どんなアイディアもサポートするプラットホームのようだ。ダウンロードするのを待たずに夢が形になっていくのを実感できるのだから!


Renderings for an eight story public lobby space in Seoul

ヤコブ自身は、アニメーションを、デザインブックだけではなくらゆる種類の資料から得たインスピレーションを描くという、素晴らしい媒体に仕立て上げてきた。ミュージックに対する情熱も、彼のアニメ化する方法に確実に影響を与えている。『物事を動かし楽しくするには「キャプテン・ビーフハート」を聴こう!』と、ヤコブは提案する。『この作品には、アニメーションについて知るべき全てのものがあるんだ。シンコペーションがあって、予測不可能。これを聴いて、それから絵にして思い浮かべれば、アニメーションが一体どんなものか理解できるはず。』

この仕事について3ヶ月、ここは我が家のように心地よい。能率を高めるための、日常茶飯事のいたずらや、ミュージック、卓球の習慣は健康的だ。それに、作品をつくる際の協力的な姿勢は、批判に対する健康的な良い薬になっているし、アイディアの過程はシェアしあい、一人占めできないようになっている。また、もう一つの要因として、ここにいる皆が実に様々なカルチャーやプロフェッショナルとしてのバックグラウンドを持っている事も挙げられよう。『なんだかめちゃくちゃな統一国家にいるみたいだよな』と、ジョークを交えた会話も交わされる。この小さな会社にして均等に移住者を抱えているのだ。ヤコブ自身もスウェーデンのストックホルム出身である。この記事を書いている時点で、ニューヨークオフィスに在籍するそれぞれの国籍は、スウェーデン2人、イギリス3人、オーストラリア一人、トルコ2人、スイス一人、ドイツ2人、フランス一人、カナダ一人、そしてアメリカが4人。

僕はトロークバックのクリエイティブ・ディレクター、ジョー・ライトに、こんなに沢山の国籍が集まったのは偶然なのか聞いてみた。『この強いヨーロッパのデザインセンスが、自然とアメリカの外からの人々を引き寄せたのだと思います。』トロークバックのトレードマークになりつつある “ヨーロッパ” のスタイルにクライアントが反応を寄せるようだが、それには特に害になっていないらしいことが明らかになった。

飛躍していくのが楽しみだ!

Trollback & Co.
住所:302 Fifth Avenue, New York, NY
TEL:+1 212 529 1010
http://www.trollback.com

Text: Garry Waller
Translation: Yurie Hatano

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