ソナー 2005

HAPPENINGText: Peta Jenkin

私は去年もこのフェスティバルに参加しているため、そこに着いた時の様子を知っていた。しかし始めてこの経験をする人にとってソナーの夜の会場は、圧倒される程大きなスペースである。何千人もの人々がこの場所に入る事ができ、2つの会場内のステージと、同じくらいの規模の外のステージがある。また、ありがたいことにプレス用の入口は分かれており、まるで収容所の廊下にできる列のような人の群れをさけることができた。

ケミカル・ブラザーズは、頭を一目見るくらいしかできなかったが、彼らのサウンドはフル効果で私たちを包み、セットアップされた巨大なスピーカーは波打ち、何百ものハイテクの照明は、目の前の人の波を彩った。


People negotiating the entrance of Sonar by Night

ケミカル・ブラザーズは数年に渡るヒットの数々を演奏し、皆を熱狂させた「ガルバナイズ」の演奏でピークに達した。ステージの両サイドには大きないくつかのスクリーンがあり、ビジュアルが投影されていた。しかし、90年代初期のセンスのカラフルなパターンと皆の頭がスピンする様子には、失望してしまった。全体的にソナーの夜のショーのビジュアルは、ぱっとしない。つまらない幾何学や、90年代スタイルの壁紙が動いているだけのようだった。お決まりの2、3人のVJだけではなく、もっと広いセレクションのVJ達を取り入れると良いのではないだろうか。

私たちは人込みを通り抜け、「ソナー・パブ」の外のセットで行われていたDFAレコードのDJジェイムス・マーフィのプレイを聴こうと外に出た。LCDサウンドシステムの本人が、ディスコやテックパンクのなめらかなセレクションを披露し、キャンディーショップにいる子供のように始終にこにこしていた。白いスーツを着た彼の友人が途中でエンターテイメントに加わったが、ステージ上で “かっこ良く” いることが、彼の目的のように見えた。魅力的なブロンドの女性(現在のマーフィ夫人か?)も度々現れ、彼女はまるでニューヨークの雑誌ヴァニティ・フェアからそのまま出てきたようだった。どこかステージの裏で素敵なパーティーを行っているように見えたが、私が必要な時はどこでそのバックステージパスを手に入れられるのだろうか?


Soul brother from space Jamie Lidell and Mocky

ジェイミー・リデルのライブについては、良い事しか聞いていなかったので、私たちは「ソナー・パーク」の会場に開始時間を目指して乗り込み、正面からそんなに遠くもない良い位置についた。ステージはなんだか変な科学の実験場のようにセットアップされていて、キーボードといくつかの道具があり、2、3人のアシスタントがいた。アシスタントはリデルの周辺で走り回っており、彼を撮影したり、なにかのつまみをいじったり、忙しそうだった。リーデルは200%のパフォーマンスを披露し、魂のこもったボーカルにビリビリとくるビートを加える。それはハーバートがただ夢見ることしかできないような様だった。彼らは彼らの意志で、世界から離れたところに座っていた。しかし、リデルは確実に、その長くて奇抜なシンフォニーと共に、印象深くて特別な何かを聴衆に残した。ステップを踏むも、このエネルギーに溢れた豪華なショーから目を離す事ができない。ショーも残り半分にさしかかった頃、モッキーがステージに現れ、ギターとボーカルを加えた。


Le Tigre

次に来るのは、私のお気に入りのル・ティグラで、「ソナー・パーク」にて午前3時15分からの演奏を予定していた。彼らの曲は明らかに私の楽しみを高めてくれることを知っていたし、それは楽しくて政治的非難も含めた軽快なポップだ。同行しているビジュアルは安っぽく、アマチュアであったが、このバンドのスタイルに完璧に合っていた。私は、JDサムソンのパフォーマンスに感心した。彼女は赤く輝くホットパンツを履き、まるでゴムヒモのように飛び跳ねながら、強いアメリカンアクセントでストリートのタフな歌詞を歌い上げていた。

大勢の人が動き出す前に、帰路につこうという決定をし、つまり私たちはソフト・ピンク・トゥルースを見逃す事になった。今考えると、もう少し残っていればと思う。いつもこのエレクトロ・トラッシュのショーは楽しくて、次の日に書くレポートは大抵その夜のハイライトとして、とても楽しく書けるからだ。

土曜の昼間の「ソナー」は、新しいアーティストなどから様々なセレクションが提供された。ムンク、トゥ・ロココ・ロット、ジェネラル・エレクトリクス、モンキー・アンド・ホットチップなどである。

私はラス・ランブラスの反対側にあるサンタモニカのアートセンター「ソナラマ」で何が起こっているのか、バンドの前に抜け出してチェックをした。残念な事に、プログラムはパーフォーマンスと重なっていたので、2階のインタラクティブ・展覧会をざっと見に行った。

マイクロホンとセンサーの前に立つと、リアルタイムでスクリーンに映し出されるグラフィックの回転を操作する事ができた。楽しいインタラクションで、マイクに向かって変な音を発したり、飛行機が滑走路から飛び立つ真似をしながら腕を動かしたりと、楽しい10分間を過ごした。

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