ピエトロ・ロッカサルバ展

HAPPENINGText: Francesco Tenaglia

『これは、ある意味で、劇的場面の対極である』とロッカサルバはコメントする。『この場面は、絵画の中におさまる前の少しの間、理想的に固定される』観る者はそこに参加するように招かれるが、少なくとも動的な存在として配置されることは望まれていない。『私は参加に関する誤解を避けたい。ここには参加の形式はないが、「rapimento」(“誘拐”と“狂喜”という2重の意味を持つイタリア語)があり、それは決して対話形式ではない。』

ロッカサルバが両方の作品に対して言及するとき、そして現実化するときに繰り返されるキーワードは「natura morta」— つまり “静物”(still life)という意味だが、イタリアの文語の意味としては “死んだ自然” — つまり赤いバスケットの中の余韻で、ここでフルーツの代わりとしての人間の起源と、捨てられたプロトタイプの集積から派生した蒸留されたアートの考えが内包される。『私は、この永遠の堕落を形にするために、終わりの感覚の音楽性をしっかりとつかみたい。この展覧会の終わりにある絵ですらも、間違った出現の思い出の集積の残余を見せたものに過ぎない。』

ピエトロ・ロッカサルバは、ロンドンのハンチ・オブ・ベニソンで7月に開催されるグループに参加する予定だ。そして10月にはゲントでも個展を開催することになっている。

Pietro Roccasalva
会期:2005年5月1日〜31日
会場:Galleria Zero
住所:Via Ventura,5 Milan
https://galleriazero.it

Text: Francesco Tenaglia
Translation: Ayako Yamamoto
Photos: Courtesy of Galleria Zero

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