太公良

PEOPLEText: Yurie Hatano

ご自身の活躍するレーベルである「grAphic tAkorA」と「CHEAP POP」について教えて下さい。

「grAphic tAkorA」はポップビジュアルを制作する上で名乗っているレーベル名です。3Aを目指して自分の思う最上のポップビジュアルを制作している事を意味しています。

「CHEAP POP」はデザインをする上で名乗っているレーベル名です。自分にとってデザインは、キャッチーでポップであれば素敵な落とし所が見つけられると思っています。それを実践しているレーベルです。大量消費社会のモノなので、安くて簡単に思われがちなポップなデザインを、ちゃんと思いのあるビジュアルと視点で作り続けたい気持ちで、ちょっと皮肉って「CHEAP POP」と名乗ってます。

自身の名前は出す場所がある場合は出しているんですが、作品につけるコピーライトには自分のレーベル名を付けています。誰だかわからない、どこの国の人かも読めない感じを表現したかったんです。

僕にとってビジュアルは、世界共通語になり得ると本気で思っているので、見てもらえる国を日本に限定している気もありませんし、そういう意味では、海外からも同じ目線で反応が得れるのは嬉しい事だと思っています。

あと別名で作品を発表するDJになんとなく憧れています。TPOによって身につける名前を洋服みたい選ぶという遊び心にです。

では、太公良さんにとって、チープポップとは何ですか?

人が幸せだね。って思ってもらえるポジティブなイメージ。です。ポップな色味や形のパワーに自分自身がとても助けられているので、そういうモノを作りたいと思っています。それが僕の人生の糧になるような気がしているので努力の毎日です。

今回のカバーデザインのコンセプトを教えてください。

世界の国へとコンニチハ!日本で今世界と繋がる熱いモノって環境を考えた愛知万博だとおもうんですよ。だから僕なりの環境への思いをアニメーションにしてみました。内容は輪廻転生です。対抗馬は、モリゾーとキッコロです。

音はニッポニアエレクトロニカのハマサトくんに、テクカルサポートは「in this world」のカワサキさんにやってもらいました。それぞれの感覚が素敵なミックスを奏でたと思います。そういう思いも輪廻転生していたかもしれません。

今後の予定やチャレンジしてみたいことは何ですか?

主に三つあります。

一つ目は、生活の中に溶け込むモノほど一番長く人に影響を与える事ができると思うので、そういうものに自分のポップイメージを使いたいです。ファブリックや家具などが良い例かもしれません。

二つ目は、教育はとても重要なモノだと最近よく思うので、子供達に対して何かをやってみたいです。オモチャやテレビ番組のビジュアルなどが例として考えられます。

三つ目は、違う考えや生活スタイルの人と会う事が好きなので、海外の人達とコラボレーションで仕事や展覧会参加の機会を得てみたいです。最近は近くの国であるアジアの人達と何かをしたいという思いが強いので、そういう事に興味のある企業の方は是非声をかけて頂きたいです。

最近、急激に政治的な理由でいろいろアジア間が注目されている事もあるので、自分の生活の目線からどういう事が相互理解でできるのかって事も知りたいところです。そういう意味では何かを作りあって考えを知るっていうのは、こういう生き方を選択した僕にとっては一番良い方法のような気がします。ぼんやりですが、そういう事が楽しい事に思えるので、自分自身から広がる交流のきっかけになればと思っています。

最後に、読者のみなさんへメッセージをお願いします。

まずはこのインタビューを読んでくれて有難うございます。みなさんの興味の広がりが、僕達が活躍できる場所の広がりです。国や人種や世代や考えを超えて、起こりうる全てのキラキラした想像力に期待しています。本気で想像する事を楽しんで下さい。

あと個人的な事ですが、もし僕の作品を見かけてイイ気分になったら、教えて下さい。そういう気持ちが僕もイイ気分にさせてくれます。そしてまたみなさんをもっとイイ気分にさせれるものを作る事ができるような気がします。

Text: Yurie Hatano

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE