トランスメディアーレ 2005

HAPPENINGText: Peta Jenkin

日が暮れると、無能なものから狂人、そしてその中間に至るまで、全ての種類の生き物が、東の先のクラブトランスメディアーレの開催地であるマリア・アン・ウーファーに現れた。ベルリンの岩で作られたそのクラブは、倉庫作りの外観から、ビデオ映写のちらつく多目的広場に姿を変え、その変貌は、2つのメインパフォーマンス地帯に挟まれたリラクゼーション地帯やレコード店にさえも及んだ。

クラブトランスメディアーレのプログラムは、ヘッドフォンコンサート、パネルディスカッション、ライブ、DJパフォーマンスを含め、ぎっしりと詰まったスケジュールと共に、しばしば真夜中までかかる9夜連続のリハーサルを行った。オープニングの夜は、メインルームを指揮する悪名高いテク−ファンクの巨匠、アクフェンが所属する、サンパデリック・カットアップ・ファンクを筆頭に、VJチーム、タイニー・リトル・エレメンツマリウス・ワッズによる華やかな映像、といったラインアップになった。


Visuals of main room

セカンドホールでは、ターミナル11やディスコサンプリスト、ジェイソン・フォレスト/ダナ・サマーらがフィーチャーされ、トランスメディアーレの “ブレイクコア” への旅「ウェイステッド」が行われた。これまでに、このくどくて容赦ないベースラインと、頭をかき乱すギャバービートが伴うブレイクコアのファンになったことはない。しかし、ストロボライトとスモークマシーンをめぐって激しく揺れるヘッドバンガー達(主に男性)で埋め尽くされた部屋は、大層な見ものであった事を、私は認めなければならないのだ。例えそれが、90年代初期、クラブカルチャーが最もひどかった (関わるものによっては最も面白い)頃の恐ろしい記憶を蘇らせたとしてもである。


The Soft Pink Truth

メインルームでの土曜の夜のプログラムは、エレクトロ・ポップ・ロッカーズである、ソフト・ピンク・トゥルースや、スナックスによる、ハードエッジさを抑えた楽しい音楽を約束した。人々は双方に良い反応を示したが、ソフト・ピンク・トゥルースの、下半身に大きな飾りをつけてドレスアップした“おふざけ”は特別だった。

元CANのドラマー、ヤキ・リーベツァイトが参加した、バーント・フリードマンによるパフォーマンスが行われた月曜の夜のアート・ロック・プログラムには、かなり多くの人が集まった。彼らは非常に軽快にファンキーなメロディーを奏で、重低音のミッド・テンポなドラムのビートと共に、多くの人の足を動かすようなコンビネーションを披露した。CANファンの中には、ドイツのオリジナルロックアーティスト達の生のライブ演奏に、畏怖しながらただ立ちすくんでいる者もいた。


Burnt Friedman and Drummer

私は、週末後には “クラブ疲労” により力尽きてしまったが、ノルウェイの、シングル・ユニットによる火曜のパフォーマンスについては、いくつかの良い報告を受けた。彼らは、独特の即興と、相対するジャンルやスタイルを、カオティックな高いエネルギーでつくりあげた(それでいて慎重な)メロディー構成で観客を魅了した。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
アレックス・ヴェルヘスト
MoMA STORE