OFFFフェスティバル2004

- - - - -

今年のOFFFは、スケールは従来よりかなり拡大したが、やはりフェスティバルの中心となったのは、今回も「ルーツ」だ。これはデジタル・クリエイティブ界やオーディオ・ビジュアルという分野で活躍するクリエイター達がプレゼンテーションやスピーチを行う、メイン会場だ。OFFFに参加経験のあるメンバーに加え、新しい顔ぶれもこのプログラムを盛り上げていた。スピーカーには、デザイナーのアドリアナ・デ・バロス、CSSの伝道師デイブ・シー、そしてエキシビジョン・スペースでも作品を展示していた、シンガポールのファンク・ステューディオ。彼らは、10年間にわたる作品を集めた作品集もここで発表していた。またスペインのデザインシーンで活躍する、ラ・モスカやAREA3という顔ぶれも見られた。


フューチャー・ファーマーズのエイミー・フランセスチーニがプレゼンテーションの時間ぎりぎりになって、キャンセルとなってしまい、1日目のメインは、ウィー・ワーク・フォー・ゼムの2人となった。

最も期待が集まったプレゼンテーションの1つであった彼らは、今回はスピーチではなく、音楽とともに最近の作品をパフォーマンス・スタイルで見せた。機材のトラブルがあり、約1時間遅れてのスタートだったが、会場は彼らのスタイリッシュで洗練された作品を見たいという期待と人でいっぱいだった。パフォーマンスは、がっかりするものではなかったが、個人的にはオーディオビジュアルのショーとして見せるには、あまり反応的ではないという彼らの作品の性質にはあまり合っていないように感じた。しかし、オーディエンスの反応は非常に熱狂的だった。パフォーマンスの終わり頃、新しいDVDをオーディエンスにプレゼントするという場面では、それを欲しがる人達が殺到し、大混乱が起きる寸前だった。

もう1つ、人々が「ルーツ」で待ちわびていた時間は間違いなく、伝説のカイル・クーパーのプロダクション会社「プロローグ・フィルムズ」によるプレゼンテーションだろう。彼はおそらく、現在ハリウッドで最も活躍するタイトル・デザイナーだろう。「セブン」をはじめ「D.N.A.」、「ミッション・インポッシブル」のタイトルデザインで、彼はこの分野の歴史にその名を刻んだ。今回のOFFFでは、これまでの作品からのスペシャル・セレクションを、オーディオ・ビジュアルのプログラムで上映した。「プロローグ・フィルムズ」のアート・ディレクターは、上映中に最近の作品についてコメントし、最後は「スパイダーマン2」の素晴らしいタイトル・シークエンスで締めくくった。

フェスティバル最終日、「ルーツ」のプログラムの最後を飾ったのは、いつも素晴らしいプレゼンテーションをする、HI-RES! のフロリアン・シュミットとアレクサンドラ・ユーゴビッチだ。

OFFFに参加するのは今回で2回目で、昨年はスペインで行われた他のイベントでもプレゼンテーションを経験している彼らは、ステージでもとてもリラックスしていて余裕があった。2人は、改めてなぜHI-RES!が今でも実験的なウェブデザインという分野で名を確立しているのかという点について語った。「ソウルバス」や「レクイエム・フォー・ドリーム」など、すでに“クラシック”として確立している初期の作品について触れながらも、プレゼンテーションは好奇心をそそるマッシブ・アタックのウェブサイトやMTVの「スタイルガイド」などの最新プロジェクトに焦点があてられた。陽気なアプリケーションとシステムメッセージを持つ架空OSという、「スタイルガイド」のインタラクティブ部分については、この3日間で最も賞賛が浴びせられた瞬間であったと思う。

今年のOFFF04には、ここでは書ききれないことがまだまだたくさんあった。世界中から集められたショートアニメーションやデジタルフィルム作品を上映する「クラシックOFFFフィルム・フェスティバル」、スポンサーのディーゼルによるアワードは、ダニエル・ロ・イアコノの「デジタル・スナップショット」が受賞。MK12SOLUのショーリールを含むオーディオビジュアルのプログラム。レスペト・トータルが主催した「ワン・セカンド・フィルム・フェスティバル」、そして私自身がホスト役を務めたパネルディスカッションなどなど。今年のOFFF04は、冒頭でも述べたとおり、このフェスティバルにとってとても重要な年であった。より活発なイベントを目指してプログラム内容を充実させながら、デジタルアート・シーンのミーティングポイントとしての地位を固めつつある。皮肉にも、今回のフェスティバルのタイトルは“私はデジタルアーティストではない。私は…”

OFFF 2004
会期:2004年7月1日〜3日
会場:Feria de Valencia, Valencia, Spain
http://www.offf.ws

Text: Jose Luis de Vicente
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Courtesy of OFFF

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE