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キム・スージャ展「コンディションズ・オブ・ヒューマニティ」

HAPPENINGText: Roberto Bagatti

象徴的なモチーフが丁寧に刺繍された、韓国の伝統的なファブリックを使用した作品も見られた。インスタレーションの「ラウンドリー・ウーマン」は、その布が午後の暖かい太陽の光りが降り注ぐ、大きな窓のある部屋で、まるで洗濯物のように掛けられている。その様子はまるで、色彩が光のエネルギーを吸収し、それをまた色彩へと変化させているかのように見える。


Kimsooja, A Laundry Woman, 2000

これと似たコンセプトの映像作品「ラウンドリー・ウーマン/ヤムナ・リバー」では、葬式を終えたばかりの遺体が流れて行くのを見つめているキム・スージャが映し出されている。流れて行く存在と動かない彼女。ここにもまた黙想という概念が感じられ、この概念はどの作品にも通じているように思える。


Kimsooja, A Homeless Woman, 2000-01

「ホームレス・ウーマン」では、キム・スージャがストリートのまんなかで石のように動かずに横たわっているものだ。この作品はカイロとニューデリーで撮影されたのだが、カイロでは人々が周りに集まって来る様子が、ニューデリーでは誰も気にとめずに通り過ぎて行く様子が映しだされている。この土地では、人が倒れていても放っておくことが多いのだろう。

日常の生活を鋭く切り取る彼女の作品は、自らの日常について考えさせられてしまう、そんなアート作品だった。

キム・スージャ「コンディションズ・オブ・ヒューマニティ」
会期:2004年6月24日〜9月19日
会場:PAC
住所:Via Palestro 14, Milan
https://www.kimsooja.com

Text: Roberto Bagatti
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Roberto Bagatti

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