今井トゥーンズ展「DL−DAY」

HAPPENINGText: Naoko Fukushi

そんな中、今井トゥーンズは会場の一番奥で、プログラムの映画上映後に始まるライブドローイングに備え、ライトで手許を照らしながら下絵を黙々と描いていた。ライブドローイングにも同じことが言えるのだが、彼が絵を描いている時の集中力はものすごい。

今さら言うのもなんだが、絵を描くことが本当に好きなのだろう。2002年に行われた個展のオープニングでは、予定外の場所にまで絵を描き続け、深夜2時まで描き続けたというエピソードもある。

映画が終わると、その下絵を描いていたアクリルパネルが中央の大壁に掛けられた。彼の集中力は途切れることはない。黒のポスターカラーで描かれた緻密な細かい線画の下絵に、さらに細部を何度も離れ全体像を見てバランスを確認しながら描き込んでいく。

具体的に何を対象物として描いているのかはよく分からない絵なのだが、少しずつ浮き出てくるその絵はとても力強い。仕上げ段階に入ると、いくつもの細かな線が織り成す絵に、さらに念入りにバランスを確認しながらスプレーで色を加えていく。そうして、約3時間を経て完成した絵は、絶妙なバランスをもった力強く優美な作品に仕上がった。

キャラクターデザインから、アニメーション、アパレルメーカーとのコラボレーション、そして今回の映画製作と、どんどん活動の領域を広げてきた今井トゥーンズ。活動10周年を迎えた現在、初作品集も企画中とのこと。ライブドローイングが完成した後に、また札幌で次は立体の展覧会を開きたいと話した彼。今度札幌に来る時までに、どんな活躍をしているのだろうか。これからの活動がますます楽しみだ。

今井トゥーンズ展覧会「DL−DAY〜札幌上陸作戦」
会期:2004年7月3日(土)〜30日(金)
営業時間:11:00〜21:00
会場:SOSO CAFE(ソーソー・カフェ)
住所:札幌市中央区南1西13 三誠ビル1F
TEL:011-280-2240
協力:phil co.,ltd.、松竹株式会社、株式会社プリズム

Text: Naoko Fukushi
Photos: Naoko Fukushi

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